横井悠:の |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 7月 15日 |
room A.3人目メンバーエキシビション、7月は横井悠による個展。 ※全文提供: room A. 会期: 2010年7月17日(土)-2010年8月7日(土) |
最終更新 2010年 7月 17日 |
「の」の字が回っているのか、鳴門巻きが回っているのか。ダブルイメージによって幾重にも意味が膨らむユーモラスな展示空間を見ることができるのが本展である
会場では、鳴門海峡の渦潮がミニチュアのように生成し、青地のパネル上には渦潮ではなく、「の」が回転する。鳴門巻きと「の」と渦潮へ、連鎖するイメージは膨らんでいく。
壁には電動ドライバーが取り付けられ、その周りに血飛沫のように赤味のある液体が壁に飛び散っている。血飛沫にしては色が薄く、鳴門巻きの模様(渦潮部分)のピンク色が飛び散った後なのかもしれない。「の」も「渦潮」も回転し過ぎると、飛び散ってしまう。
横井にはかつてソフトクリームの電光看板を回転させた『ソフトクリーム 1000r/min.』(2009)という作品があるが、今展では「の」を回転させる。回転寿司が生まれたのは東大阪だというが、回らないものを回らせるのは大阪の伝統かもしれない。