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洪浩:Things
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 7月 09日

《My Things- Book Keeping of 07 B》2008年
デジタルプリント|120 x 216 cm
画像提供:ベイスギャラリー|Copyright © Hong Hao

洪浩(ホンハオ)は対象物をスキャンしてPC 内でその画像を再構成する。

選ばれる物(My Things と彼は呼称する)はお金、ごみ、チョコレート、薬、ただただ丸いもの、など一つ一つを見れば余りの日常物だけに何の意味もないものばかりだ。しかし彼のPC 内で集積された圧倒的な物の羅列は私たちに強烈な印象を与え凄みさえ感じてしまう。

ただ集積し繰り返されるだけでそのものが持つ機能、意味が異化されていくがホンハオの物の集積はそれに留まらない。

金といい、チョコレートといい、本といい全て人に幸せを与えながら、過ぎてしまえばその行く手に大きな不幸の陥穽が待ち受けていることは大人なら知っている。作品の持つ凄みや剣呑さはこのパラドックスからくるのだろう。 その上矛盾と皮肉を交えながらも作品は妙に強く美しいのだ。またこの混沌ぶりは激しい変化を見せる北京の作家のみが感受し得た時代の精神からこそ生まれたと言わねばならない。

本、知識も膨大でなければ問題の解決に至らず、しかしその多さゆえに混迷も待っているだろうことは私たちが長じて学ぶことのひとつだ。

ホンハオのMy Things は私たちのものと言い換えてもいいかもしれない。中国の写真作家として活躍をするホンハオのこの展覧会は近作を集めBASEGALLERYでは2度目の展覧会となります。 既にMOMA、テートモダンにも収蔵され中国の混沌とした過渡期にあってその激しい変化を最もよく表現する作家として益々高い評価を得ています。

洪 浩 (HONG Hao)
1965 北京生まれ
1989 中央美術学院(版画科)卒業
北京在住

主な個展
1999  「蔵経」キャンヴァス・インターナショナル・アート(アムステルダム)
2000 「浮遊する不信」アート・ビータス・ギャラリー(バンクーバー)・「景象」コートヤード・ギャラリー(北京)
2004 「Fotografias」ロフト・ギャラリー(バルセロナ、パリ)・「Hong Hao's Reading Room」チェンバース・ファイン・アート(ニューヨーク)・ベイスギャラリー(東京)
2007 「Hong Hao's Elegant Gathering」チェンバース・ファイン・アート(ニューヨーク)
2009 「Bottom」ベイジンコミューン (北京)
2010 「Things」ベイスギャラリー (東京)

※全文提供: ベイスギャラリー


会期: 2010年7月9日(金)-8月10日(火)

最終更新 2010年 7月 09日
 

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