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Art Court Frontier 2010 #8
編集部ノート
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 7月 06日

アーティスト、キュレーター、ジャーナリストなどが推薦者となり、関西在住あるいは関西にゆかりのある作家を推挙するアニュアル企画展の8回目。全国区の公募展や推薦展とは異なり、本展のようにローカルな場に着目した企画の方が作家や作品の時代性、関西アートシーンの現状が見えてくる。

出品作品は多様な現代美術の状況を反映して、実に多彩である。内田文武の絵画とサウンド作品、森末由美子の本を素材とした立体作品など、見どころ聞きどころが多い。本展のハイライトとも言える特殊なインスタレーションに注目してみると、ギャラリーの中庭にミツバチを養蜂するミツバチ・インスタレーションの埋橋幸広(推薦者:今村源)、ニューヨーク6番街にあるロバート・インディアナの彫刻「LOVE」の隣に「愛」の字を象ったバルーン彫刻を設置するアトラクション・インスタレーションの佐川好弘(推薦者:江上ゆか)、「あなたのご自宅やお店などに飾るあなたの写真を、私と撮りませんか?」という問いかけ始まる対話型アートプロジェクト『そん‐りつ【存立】[名]スル 存在し、成り立っていくこと。』を手がける宮本博史(推薦者:手塚さや香)などの作品には「フロンティア」に身を置く孤高と危険さがあった。

推薦者の推薦理由も興味をかき立てられ、見応えのある企画展として充実している。だが、このレベルの展覧会をギャラリーで見ることができるということが実は一番「フロンティア」なのかもしれない。

最終更新 2015年 10月 31日
 

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