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橋本聡:来ると減る
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 6月 20日

《LOWER》2010年 画像提供:Art Center Ongoing|Copyright © Satoshi Hashimoto

橋本聡は、近年、国内外のさまざまな展覧会で発表を続ける、今最も注目すべき作家の一人です。

橋本は、身体性を意識したインスタレーション空間を作り上げます。作家本人が会場に滞在し何らかの行為をし続ける時もあれば、会場に置かれた指示書によって来場者に様々な行為を促す場合もあります。

作家本人によるものにしろ、指示書によるものにしろ、その行為からは、それを体験したことによる満足感のようなものは生み出されることはなく、逆に導き出されてくるのは「居心地の悪さ」のような感覚です。

橋本がしむける行為は、見ること/見られることの関係や、個人/他者の領域など、我々を取り巻く、誰もが疑うことのないルールや概念の境界線を乗り越えるために用意されているかのようです。領域侵犯ともいえるこうした橋本の行為の数々は、既成概念や予定調和を打ち崩し、我々が信じてやまないこの世界の成り立ちの脆弱性を暴露するためのものなのかもしれません。

おそろしくも魅惑的な橋本聡の作品世界、ぜひこの機会に多くの方に体験していただければと思います。

※全文提供: Art Center Ongoing


会期: 2010年6月17日-2010年6月27日

最終更新 2010年 6月 17日
 

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