MAMプロジェクト012:トロマラマ |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2010年 5月 22日 |
トロマラマは、インドネシアのバンドゥンを中心に活動する3 人組のアーティスト・ユニットです。フィビー・ベビーローズ(1985 年生まれ)、ハーバート・ハンス(1984年生まれ)、ルディ・ハトゥメナ(1984 年生まれ)により、バンドゥン工科大学在学中の2004 年に結成、2008 年のシンガポール・ビエンナーレへの参加以来、国際的な注目を集めています。 デザインや版画のバックグラウンドをもつ彼らは、身近な素材とストップモーションの技術を用いてユニークなアニメーション作品を制作しています。代表作の《戦いの狼》(2006 年)は、ジャカルタのロックバンド「セリンガイ」のために作られたミュージックビデオです。ワンシーンごとに彫られた木版画の版木の数は約450 枚に及び、それをコマ撮りして制作されたこのアニメーションは、気が遠くなるほど手間のかかる丁寧な手仕事、斬新なイメージ、インドネシアのロック・サウンドが融合した作品です。また、RNRM というインディーズバンドのためのミュージックビデオでは、12kg のボタンと1kg のビーズを素材として、色鮮やかで軽快な作品を創作しています。 優れたデザインセンスに素朴な手触りとローテクを絶妙に取り入れるトロマラマの作品からは、懐かしさと斬新さが同時に感じられ、美術とポップカルチャーの新たな可能性が浮かび上がります。欧米のミュージックビデオはもちろんのこと、アニメやマンガなどの日本のポップカルチャーに囲まれて育った彼らは、多様な文化をしなやかに受容しつつ、独自の視点で制作に取り組んでいます。伝統的技法や日常にある素材を用いて、古くて新しい、ローカルかつグローバルなビジョンを紡いでいくトロマラマの創造性は、アジアの作家の新しい動きとして注目に値します。森美術館では、過去の作品とともに、インドネシアの伝統的な染色技法であるバティックを用いたビデオ・インスタレーションの新作を発表する予定です。 おやこワークショップ 「トロマラマとコマ撮りアニメをつくろう!」 アーティストトーク ※日英同時通訳付 ※全文提供: 森美術館 会期: 2010年7月24日-2010年11月7日 |
最終更新 2010年 7月 24日 |