中沢研 展 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 5月 03日 |
中沢研は1970年東京都生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了。主な展覧会に「MOTアニュアル1999 ひそやかなラディカリズム」('99年、東京都現代美術館)、「横浜トリエンナーレ2001」('01年、パシフィコ横浜)などがあります。 中沢は、展示する場所の特徴をとらえ、針金やテグスなど細く繊細な素材を用いて空間を構成するインスタレーション作家として高い評価を得ています。1992年から一貫してインスタレーションによって空間の質やニュアンスの表現を追求してきましたが、2008年にアンドーギャラリーにて開催された個展で初めて絵画を発表しました。 2回目の絵画展となる本展では、150号と80号のキャンバスに描かれたペインティング8点余りを展示いたします。2008年の作品には中沢のインスタレーションに特有の針金やテグスを想起させる線が表現されていましたが、今回の新作では画面を構成する要素が少なくなり、線はあくまでも隣り合う面との関係のなかで立ち現れる境界として描かれています。淡く繊細な色彩を帯びた絵画は中沢の新たな展開を予感させます。どうぞご高覧ください。 ※全文提供: アンドーギャラリー 会期: 2010年6月8日-2010年8月28日 |
最終更新 2010年 6月 08日 |
会場に作り上げられているのは白く塗られた鉄の棒によるインスタレーションである。ほとんど等間隔に配置されている棒はまるでキャンバスに引かれた線のようであり、静謐で、よりいっそうその空間自体を鑑賞者に意識させる。中沢はインスタレーションの作家として知られるが昨年の個展では絵画作品を発表しており、それらはインスタレーションと同じく空間への強い意識に貫かれている。今回の個展で絵画は展示されていないため、未見の場合はギャラリー発行のカタログを参照することをお勧めしたい。