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日本画滅亡論
アートワーク
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2009年 9月 25日

作品全景 copy right(c)Natsunosuke MISE作品全景

「日本画滅亡論」(中京大学アートギャラリー C・スクエア)出品のため、三瀬がキュレイターの森本悟郎に依頼され制作した作品。当時三瀬は五島記念文化財団新人賞受賞(2006年度)で財団の助成を受けフィレンツェへ渡っており、作品は現地で制作されている。

作品にコラージュされているのはその道端で拾ったというジャンクである。色とりどりのそれらが祝祭的な雰囲気を作り出しながら、一方で中心から隆起するモノクロの山々がまるで生き物のように圧倒的な存在感を示している。日章旗や軍艦らしき存在もあり画面は総じて不穏な雰囲気を放っているが、その屈折がはたして「日本画」の滅亡をテーマにしているために現出したものなのか、はっきりとした答えを出すことは難しく、むしろその〈わからなさ〉が作品の全体を貫いている。対作品である≪日本画復活論≫も同時期に名芳洞blancで発表されており、「三瀬夏之介展 冬の夏」(佐藤美術館)で初めて同じ空間に展示された。


作品詳細

アーティスト:  三瀬夏之介
制作年:  2008
種類:  絵画
所蔵:  作家蔵
材質:  和紙、墨、胡粉、金箔、アクリル、印刷物コラージュ
サイズ:  182.0×242.0cm
出展履歴:  「日本画滅亡論展」(中京大学アートギャラリー C・スクエア、2007年9月18日〜10月20日) 「三瀬夏之介展 冬の夏」(佐藤美術館、2009年1月15日〜2月22日)
掲載画像:  (提供)三瀬夏之介、(撮影会場)イムラアートギャラリー

最終更新 2015年 11月 01日
 

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