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白と黒とグレーと植物と俺
アートワーク
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2008年 11月 29日

copy right(c)2007 AMPG

copy right(c)2007 AMPG

花は生殖器である。雄しべで作られた花粉が雌しべの有する胚珠に受粉することによって、種子が作られる。だから、花と、人間を含めた動物のそれをまったく同じものとして考えることはできないにしても、わたしたちの中に花/植物からセクシュアルな匂いを嗅ぎ取り、そこを切り取って作品として発表する作家がいることはなにも不自然なことではない。命が生まれる場所であるからこそ、たとえば写真家の荒木経惟は花の美しさだけではない生々しさも撮ろうとするのだろう。

そうした中、東が展示したのは友人であり同僚の椎木俊介が撮った写真四枚。背景はまったくの白地であり、その中央に配されているのはモノトーンの花/植物である。東は写真の隣にCDプレイヤーを架け、そこからそれぞれの花/植物の音(東曰く、呼吸)を流すということも試みた。色を失った花/植物はその形が全面に押し出され、わたしたちはそこからいかようにもその写真を解釈できる可能性を与えられたと言える。皮を削られ中身のぐちゃぐちゃとした粒がエロティックに見える丸い実もあれば、それとは逆に幾何学的なフォルムに美しさを感じるものもある。黒い立方体に、実物のバナナが入れられているというのも唐突で面白い。「ごちゃごちゃうるせえ/勝手に感じろ」。東の真意は、コンセプトにあるこの一文に尽きている。


作品詳細

アーティスト:  東信
制作年:  2007年
種類:  インスタレーション
所蔵:  AMPG
材質:  バナナ、アクリル、写真
サイズ:  H1,400×W400×D400(作品「白と黒とグレーと植物と俺」サイズ)、H1,500×W4,000(写真パネルサイズ)、H900×W2,000(写真パネルサイズ)、H1,000×W1,000(写真パネルサイズ)×2枚
展示履歴:  AMPG第3回目展示(2007年6月1日~6月20日)
展示形態:  立体作品(タイトル「白と黒とグレーと植物と俺」)、静止画・動画(東信インタビュー)、写真 (Photographer:Shunsuke Shiinoki)

最終更新 2015年 11月 01日
 

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