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安藤栄作 展
編集部ノート
執筆: 平田 剛志   
公開日: 2010年 1月 24日

トーテムポールを思わせる柱のような作品ひとつ。柱状に顔がいくつも彫られている。木の表面を見ると、ザラザラと叩かれたようにざらついている。それは、手斧で叩かれることによって制作されるからなのだという。一見それは暴力的に見えるかもしれない。だが、ギャラリーの壁面全面を使ったラフなドローイングを見て納得する。もしかしたら、安藤がたった1つの手斧で作り出す彫刻とは、ドローイングが持つラフで、奔放な作品なのだと。 すると、手斧1つで作り出される彫刻も暴力的どころか、手斧の力加減や微妙な刃先の角度など、使い込まれた手の思考がなければ出来ない繊細な仕事であることが分かる。しかし、目の前のある作品はそんな繊細さを笑うように顔がこちらを見つめていた。

最終更新 2010年 7月 02日
 

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