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藤井保:BIRD SONG
編集部ノート
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2009年 11月 20日

カメラとは一瞬を切り取る機械である。一秒先には別のものに変貌してしまうかもしれない現実を、〈その一瞬〉のまま切り取るのがカメラだということを、藤井保の《BIRD SONG》は改めて私たちに教えてくれる。 会場に展示されているのは、藤井が2006年から四年間に渡り撮影した渡り鳥の写真だ。編成を組んで飛行する渡り鳥の写真は、次の一瞬には崩れ去ってしまうかもしれないと思わせる、一瞬の美しさがある。と言っても、渡り鳥が写っていない写真もある。あるいはそれは渡り鳥が去った風景なのかもしれない。外光が目一杯入る二階窓ガラス付近の壁面には、あたかもこれから渡り鳥が外に向かい飛び立つがごとき構図の写真が選ばれ展示されていた。写真はある一瞬を切り取るが、その後の時間を私たちに想像させる自由を許してくれる。

最終更新 2010年 6月 27日
 

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