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白髪一雄:格闘から生まれた絵画
編集部ノート
執筆: 平田 剛志   
公開日: 2009年 11月 07日

日本におけるアクションペインティングの先駆者として知られる白髪一雄(1924-2008)の関東では初めての本格的な回顧展。しかし、当たり前のように「アクションペインティング」などという言葉を冠してしまったが、足で描くというその特異な技法ばかりに関心が向けられ、この画家の作風の変化に眼を向ける機会を逸してきたことは事実だろう。 しかし、白髪の求道的な絵画への思考(試行)は、60年にも及ぶ絵画に痕跡として残されている。今、私たちに求められているのは絵画の背後にある技法などではなく、眼の前の絵画と対峙することだ。 本展では<初期作品>、<血のイメージ>、<密教シリーズ>、<歴史への憧憬>、<アプローチの多様性-題材・技法・画材>、<資料>の6セクションによって、白髪の画業の一端が明らかにされていくだろう。 国内の美術館の常設展示でよく見かける白髪一雄作品だが、意外とまとまって見る機会は少ないため、本展は貴重な機会である。

最終更新 2010年 6月 27日
 

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