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横尾忠則:東京Y字路 写真展
編集部ノート
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2009年 10月 26日

画家•横尾忠則による写真展。2001年より発表の《Y字路》シリーズが実際にある風景を元にしたものであることは横尾自身の口により既に広く知られているが、今回の写真展ではその実物を見ることができる。 横尾が都内を歩き回り撮りためたY字路は50点以上にも上り、言うまでもなく一つとして同じY字路はない。国書刊行会から写真集も刊行されており、手に取って見ると、すべて同じサイズで掲載されているY字路はベッヒャー夫妻の給水塔を思い出させた。ただ展覧会ではプリントのサイズに大小ありそれによっても印象が違うから、資料としてではなく自身の体験としてY字路を見たいなら画廊に足を運ぶべきだろう。壁面いっぱいに引き伸ばされたY字路からは、まるで私がその場に立っているような印象ももたらす。実在する風景であるために、創作であるペインティングのY字路とは作法が異なりながら、しかしこの世ならざる雰囲気を漂わせているものもあるのは横尾の写真ならではか。

最終更新 2010年 6月 27日
 

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