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北島敬三:1975-1991
編集部ノート
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2009年 10月 03日

同一人物を一定の期間を置き繰り返し撮影する≪Portraits≫シリーズの印象が強い人にとっては、今回の北島敬三の個展は意外にうつるかもしれない。確かに≪Portraits≫シリーズで定められているルール(背景が白であること、衣服が襟付きの白シャツであること、胸像であること)がもたらす整然とした印象と、本展に並べられている1975年から1991年の時に猥雑で直情的なスナップショットのそれはあまりに異なる。 しかし、どちらの写真も被写体の有名無名を問わず「ポートレイト」であることから、北島が一貫して肖像に関心を抱いてきたことがわかるだろう。≪Portraits≫のシリーズはそれまでのどちらかと言えば瞬間的な肖像に、時間の蓄積を取り込んだものだ。≪Portraits≫が本展の対象にしている上限の1991年の翌年、1992年から開始されたということは甚だ興味深い。

最終更新 2010年 6月 27日
 

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