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放課後のはらっぱ:櫃田伸也とその教え子たち
編集部ノート
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2009年 10月 02日

詳細は後日のレビューに記したいが、近年稀にみるほどよく作り込まれたこの展覧会についてまず一言だけ紹介しておきたい。 展覧会は愛知県立芸術大学で1975年から2001年まで教鞭をとった櫃田伸也と、その教え子19名による作品を展示するものだ。言うまでもなく櫃田と教え子の関係は、徒弟制からなる一流派のそれではない。しかし美術史的な見地からすればまさしく一つの「スクール」を軸にある流れを詳らかにしようとする態度にほかならず、私はそのような歴史的な視点が物故作家ではなく現存作家に照射され、かつ成功をおさめていることに敬意をあらわさずにはいられない。 こう書くと非常に硬派な展覧会のように思われるかもしれないが、ポスターなどの印刷物に端的にあらわれているように会場は何より作品を楽しむことができるよう構成されている。櫃田の作品と奈良美智、杉戸洋、加藤美佳ら教え子の作品は時に隣り合うよう展示されており、それぞれの作品がゆるやかに繋がり共鳴する様は幸福感に満ちている。 一言のつもりが長くなってしまった。きわめて重要な展覧会であることが伝わるだろうか?

最終更新 2015年 11月 04日
 

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