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長谷川ちか子:穴 - Punica Granatum
編集部ノート
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2009年 9月 11日

「Punica Granatum」とは石榴の学名である。しかし長谷川の作品は果実としての石榴を飛び越えて、より根源的な生命の姿を生々しくも発露しているかのようだった。黒地の中ぽかりと空いた穴のごとくでその内で蠢くのは、あたかも皮膚を一枚剥いだ先にあらわれる血を伴った私たちの肉そのものである。覗き穴のような形も演出して、作品によっては女性器を連想する人もいるかもしれない。もはや人前で見ることすら憚られる、官能的な世界がそこにある。

最終更新 2010年 6月 27日
 

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