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混沌から躍り出る星たち2009
編集部ノート
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2009年 8月 04日

2008年度「京都造形芸術大学卒業制作展」・「京都造形芸術大学大学院修了制作展」から選抜された25名に、卒業生である西村郁子を加えた26名からなる展覧会。2001年から東京で行なわれており、東京で京都の若手作家を知ることのできる貴重な場として機能している。 広島市現代美術館のグループ展に参加し、画集『はつ恋』(アートビートパブリッシャーズ、2009年)も発売した佐藤允のエネルギッシュな細密画≪変態≫や、古美術を思わせる質感の藤井典子の鉛筆画≪えん(EN)≫は完成度が高くとりわけ注目した。そのようなスタイルが既に確立しているかのような作家もいる一方で、村林由貴の女性を中心にファンタジックな光景を描いた≪やさしい夢に生きる乙女たち≫のような、未だ一つのフォーマットへの収まりを見せない作家もいる。 卒展や終了制作展を見ると、重要なことは今売れているか否かではなく、どれだけ作ることを持続できるかだと思わずにはいられない。だからあくまで同展はスタートラインであり、とにもかくにも私が見たいのは、作ることがカルマであるかのような作家の作品である。それを現時点で判別することは難しく、だから鑑賞者にとっても重要なのは目に留まった作家を継続して見続けることである。

最終更新 2015年 11月 18日
 

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