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冬耳:ホシノオト
編集部ノート
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2009年 7月 12日

光をテーマとした冬耳の個展の、最大の見所はギャラリー中央に掛けられている大作《バースデイ》(キャンバスにアクリル絵具、2910×2910mm、2009年)である。スクエアのパネル四枚を組み合わせた作品は号数で言えば300号に相当し、ギャラリーからだけでは全体が見渡せず、隣接するカフェからガラス越しに見てようやく全貌が確認できるほどだ。黒地を背景に描かれているのは目玉や臓器、脳などを思わせる多様なかたちのコラージュであり、鮮烈な色彩からなるそれらが一つのイメージに収縮しつつ、かつ拡散していくさまは圧巻である。作家のアトリエでは最大二枚しか同時に並べることができなかったようだが、これだけの作品が破綻なくまとめられていることにも驚く。一方の壁面には小品がリズミカルに展示されており、全体が星の瞬きを思わせるきらびやかなものになっている。

最終更新 2015年 11月 03日
 

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