展覧会
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2010年 4月 17日 |
山下の作品は、油絵具が均一に塗られたキャンバスにニードルでイメージを彫り、その溝に幾重にも色を流し込むという手法で制作されています。
工場や市場、工事現場等の「作業風景」を主に描いてきた山下は、日々の生活の中で心惹かれた風景を写真やスケッチで記録します。
筆圧や太さを変えられる筆ではなく、溝という同じ種類の線で細部まで詳細に描写された風景はフラットで、画面の中の距離や質感が均等に見る者の目に入り込んできます。
全てのアイデンティティーが均一化した不思議な世界は無国籍で、傷跡の集積からなる事物の輪郭は荒廃的な未来の世界を思わせます。
東京では2年ぶりとなる山下律子の新作展、ぜひこの機会にご高覧ください。
山下律子 Ritsuko Yamashita 1971 鳥取県生まれ 1993 女子美術大学短期大学部造形学科絵画専攻卒業
展覧会歴: 2009 鳥取市あおや郷土館(鳥取) 2008 「R ARINOME」奈義町現代美術館(岡山)、鳥取ガスグループ ショールーム Salute(鳥取)、アトランティコギャラリー(東京) 2007 都市との対話』展/BankART studio NYK(横浜)、神戸アートビレッジセンター(神戸)、「VOCA2007」/上野の森美術館(東京) 他多数
※全文提供: hpgrp GALLERY東京
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最終更新 2010年 6月 04日 |