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猪熊弦一郎:いのくまさん
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 4月 11日

画像提供:東京オペラシティアートギャラリー

「こどもの ころから えが すきだった いのくまさん おもしろい えを いっぱい かいた」
詩人の谷川俊太郎による文で始まる絵本、『いのくまさん』。本展では、画家猪熊弦一郎(1902-1993)の仕事を、絵本『いのくまさん』の内容に沿って紹介します。 猪熊は香川県に生まれ、東京美術学校で藤島武二に師事します。その後、1936年に新制作派協会(現 新制作協会)を結成、東京、パリ、ニューヨーク、ハワイと活動の拠点を移しながら制作を続けました。マティス、ピカソ、藤田嗣治、マーク・ロスコ、イームズ夫妻、イサム・ノグチなど、さまざまな芸術家と出会い、親交を深めたことでも知られています。
猪熊は、芸術を一部の人のものではなく、全ての人に開かれているべきだと考え、私たちの日常を美にあふれた楽しいものにする試みもしました。JR上野駅中央コンコースの壁画《自由》(1951年)をはじめとするパブリック・アート、三越の包装紙「華ひらく」のデザイン(1950年)、黒澤映画《生きる》のポスター(1952年)等々、多彩な仕事を手掛けています。 本展は2007年に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館において開催された展覧会の東京展で、同館所蔵の猪熊作品約100点を展示します。まるで絵本の中を歩くように、谷川氏による簡潔で美しい文に導かれ、「顔」「鳥」「猫」「色」「形」といったテーマに沿って猪熊の絵画世界を巡る本展が、絵を描くこと、創ることのよろこびに触れる機会になれば幸いです。
  猪熊弦一郎 略歴
1902 香川県高松市に生まれる
1922 東京美術学校(現・東京藝術大学)入学、藤島武二に師事
1929 帝国美術院第10回美術展覧会特選
1933 帝国美術院第14回美術展覧会特選
1936 新制作派協会(現・新制作協会)を設立
1938 渡仏、アンリ・マティスに師事
1950 第2回毎日美術賞受賞
1955 渡米、ニューヨークを中心に活躍
1964 第6回現代日本美術展 国立近代美術館賞受賞
1975 この年より、冬はハワイで制作
1991 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館開館
1993 第34回毎日芸術賞受賞、逝去
  ※全文提供: 東京オペラシティアートギャラリー

最終更新 2010年 4月 10日
 

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