馬場健太郎:鐘楼の追憶 - ricordo di campanile - |
展覧会
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2010年 4月 22日 |
馬場健太郎は1968年生まれ、90年代初めより数々の個展・グループ展で継続的に作品を発表し、昭和シェル現代美術賞展(96.97.00年)やVOCA展(00年)など若手現代美術作家の登竜門的美術展にも出展してきました。鎌倉画廊での発表は一昨年のグループ展に続き2回目となります。深みのある赤や緑、青色などの画面に光や風が舞い込んだかのような柔らかな物質感、そして独特の奥行きと光沢を湛える馬場の作品は対極的な色の絵の具の層を塗り重ねていくことで形成されます。2005年より1年間滞在したイタリア・ミラノでは支持体の研究に着目し、膠の層を施したエマルジョン・キャンバスを支持体に、蜜蝋を混ぜた油彩で描き出すという現在の手法に至りました。絵画における「物質の視覚的な抵抗感」を重視し、「目の前で起こる色相のぶつかりを画面の中に隠蔽する絵の具という物質同士の衝突と調和の連続」を直に感じながら徐々に画面の表層へと辿り着く--「今」を「過去の堆積による現代の時間」ととらえる作家の絵画には、その下に刻まれた時の流れや衝突・調和などの痕跡が確かに内在しますが、それを推測させようという押し付けがましさはなく、ただただそこに「在った」という極自然的なスタンスで描ききられています。新作では、過去に見た風景に対する思い込みや勘違いなど「記憶の曖昧さ」がエッセンスとなり画面に現れる点に探究心を向け、自身にとって「記憶」を象徴する色・青を主体に「記憶の風景と現実の風景の心地よいズレ」を描き出したいという作家。かつて過ごしたイタリアの街々でその歴史や人々を見つめてきた鐘楼(鐘つき台)が持つであろう深い記憶に思いを重ね、「鐘楼の追憶」と題した今展では、幅約3メートルの大作を含む新作約10点を展示いたします。色・時間・記憶の層、そのすべての連なりが画面上で結実する新作群をぜひご高覧下さい。
馬場 健太郎(ばば けんたろう/Baba kentaro)略歴 1968年 長崎県長崎市生まれ 1993年 創形美術学校研究科造形課程修了 (修了制作 高澤賞受賞) 1996年 第10回ホルベインスカラシップ奨学者 2005年 文化庁在外派遣研修員としてミラノに滞在、ブレラ国立美術学校イタロブレッサン教室にて研修
個展: 1994年 ルナミ画廊 東京 1995年 GALLERY-17 東京 1996年 ルナミ画廊 東京 1997年 100%GALLERY 東京 1998年 オレゴンムーンギャラリー 東京 1999年 ギャラリー山口 東京 2003年 リストランテ ビーチェ 東京 2004年 トキアートスペース 東京 2005年 もみの木画廊 東京 2007年 ギャラリーMOMO 東京 2008年 アートフロントギャラリーグラフィックス 東京
グループ展: 1992年 「現代の作家と弟子展」 ブレラ国立美術学校 ミラノ / ストライプハウス美術館 東京 1993年 「湘南ライブアート」 藤沢青少年会館 神奈川 1995年 「第3回 ギャラリー17合同展覧会」GALLERY-17 東京 1996年 「第1回昭和シェル現代美術賞展」 Bunkamuraギャラリー 東京 1997年 「第2回昭和シェル現代美術賞展」 東京国際フォーラム 東京、「J EXHIBITION 11 ?時の安息?」 埼玉近代美術館 埼玉 1998年 「GLAN CANAL 長崎」 長崎県立美術博物館 長崎 1999年 「現代日本絵画の展望展」 東京ステーションギャラリー 東京 2000年 「VOCA展2000現代美術の展望?新しい平面の作家たち」 上野の森美術館 東京、「第5回昭和シェル現代美術賞展」 目黒区美術館区民ギャラリー 東京 2001年 「流れとよどみ」 文房堂ギャラリー 東京 2002年 「Art Scholarship 2001 現代美術賞」 exhibit LIVE 東京 2003年 「相貫するまなざし」 トキアートスペース 東京 2007年 「スクランブルアゲイン」 GALLERY 風 東京 、「冬の100℃」 Gallery≠Gallery 東京 2008年 「絵画の春」 鎌倉画廊 神奈川 2009年 「二つの扉」展 庭園ギャラリー櫻守 / Gallery エル・ポエタ 埼玉 2009年 「autunno inoltorato」展 ギャラリーアダマ 埼玉
受賞: 2000年 第5回昭和シェル現代美術賞展 審査員特別賞 本江邦夫賞受賞 2004年 第8回ADSP(Art Document Support Program by SHISEIDO)選出
パブリックコレクション: 愛知大学, flower records 東京, 阿佐ヶ谷美術専門学校 東京
※全文提供: 鎌倉画廊 馬場健太郎は1968年生まれ、90年代初めより数々の個展・グループ展で継続的に作品を発表し、昭和シェル現代美術賞展(96.97.00年)やVOCA展(00年)など若手現代美術作家の登竜門的美術展にも出展してきました。鎌倉画廊での発表は一昨年のグループ展に続き2回目となります。深みのある赤や緑、青色などの画面に光や風が舞い込んだかのような柔らかな物質感、そして独特の奥行きと光沢を湛える馬場の作品は対極的な色の絵の具の層を塗り重ねていくことで形成されます。2005年より1年間滞在したイタリア・ミラノでは支持体の研究に着目し、膠の層を施したエマルジョン・キャンバスを支持体に、蜜蝋を混ぜた油彩で描き出すという現在の手法に至りました。絵画における「物質の視覚的な抵抗感」を重視し、「目の前で起こる色相のぶつかりを画面の中に隠蔽する絵の具という物質同士の衝突と調和の連続」を直に感じながら徐々に画面の表層へと辿り着く--「今」を「過去の堆積による現代の時間」ととらえる作家の絵画には、その下に刻まれた時の流れや衝突・調和などの痕跡が確かに内在しますが、それを推測させようという押し付けがましさはなく、ただただそこに「在った」という極自然的なスタンスで描ききられています。新作では、過去に見た風景に対する思い込みや勘違いなど「記憶の曖昧さ」がエッセンスとなり画面に現れる点に探究心を向け、自身にとって「記憶」を象徴する色・青を主体に「記憶の風景と現実の風景の心地よいズレ」を描き出したいという作家。かつて過ごしたイタリアの街々でその歴史や人々を見つめてきた鐘楼(鐘つき台)が持つであろう深い記憶に思いを重ね、「鐘楼の追憶」と題した今展では、幅約3メートルの大作を含む新作約10点を展示いたします。色・時間・記憶の層、そのすべての連なりが画面上で結実する新作群をぜひご高覧下さい。
馬場 健太郎(ばば けんたろう/Baba kentaro)略歴 1968年 長崎県長崎市生まれ 1993年 創形美術学校研究科造形課程修了 (修了制作 高澤賞受賞) 1996年 第10回ホルベインスカラシップ奨学者 2005年 文化庁在外派遣研修員としてミラノに滞在、ブレラ国立美術学校イタロブレッサン教室にて研修
個展: 1994年 ルナミ画廊 東京 1995年 GALLERY-17 東京 1996年 ルナミ画廊 東京 1997年 100%GALLERY 東京 1998年 オレゴンムーンギャラリー 東京 1999年 ギャラリー山口 東京 2003年 リストランテ ビーチェ 東京 2004年 トキアートスペース 東京 2005年 もみの木画廊 東京 2007年 ギャラリーMOMO 東京 2008年 アートフロントギャラリーグラフィックス 東京
グループ展: 1992年 「現代の作家と弟子展」 ブレラ国立美術学校 ミラノ / ストライプハウス美術館 東京 1993年 「湘南ライブアート」 藤沢青少年会館 神奈川 1995年 「第3回 ギャラリー17合同展覧会」GALLERY-17 東京 1996年 「第1回昭和シェル現代美術賞展」 Bunkamuraギャラリー 東京 1997年 「第2回昭和シェル現代美術賞展」 東京国際フォーラム 東京、「J EXHIBITION 11 ?時の安息?」 埼玉近代美術館 埼玉 1998年 「GLAN CANAL 長崎」 長崎県立美術博物館 長崎 1999年 「現代日本絵画の展望展」 東京ステーションギャラリー 東京 2000年 「VOCA展2000現代美術の展望?新しい平面の作家たち」 上野の森美術館 東京、「第5回昭和シェル現代美術賞展」 目黒区美術館区民ギャラリー 東京 2001年 「流れとよどみ」 文房堂ギャラリー 東京 2002年 「Art Scholarship 2001 現代美術賞」 exhibit LIVE 東京 2003年 「相貫するまなざし」 トキアートスペース 東京 2007年 「スクランブルアゲイン」 GALLERY 風 東京 、「冬の100℃」 Gallery≠Gallery 東京 2008年 「絵画の春」 鎌倉画廊 神奈川 2009年 「二つの扉」展 庭園ギャラリー櫻守 / Gallery エル・ポエタ 埼玉 2009年 「autunno inoltorato」展 ギャラリーアダマ 埼玉
受賞: 2000年 第5回昭和シェル現代美術賞展 審査員特別賞 本江邦夫賞受賞 2004年 第8回ADSP(Art Document Support Program by SHISEIDO)選出
パブリックコレクション: 愛知大学, flower records 東京, 阿佐ヶ谷美術専門学校 東京
※全文提供: 鎌倉画廊
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最終更新 2010年 4月 17日 |