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アピチャッポン・ウィーラセタクン:NATIVE LAND
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 3月 11日

《Phantoms of Nabua》 2009年 ©Apichatpong Weerasethakul 画像提供:SCAI THE BATHHOUSE

アピチャッポン・ウィーラセタクンは1970年、タイのバンコク生まれ。近年はアートの分野でも多くの国際展に出展し、2008年にはカーネギー・インターナショナルにて前回の SCAI THE BATHHOUSE での初個展にて発表した映像インスタレーション『Unknown Forces』を展示し、今後一層の活躍が期待される若い才能に向けて新設された Fine Prize の第一号受賞者に輝きました。また2009年度のヒューゴ・ボス賞、及び2010年のアジア・アート・アワードそれぞれのファイナリストにエントリーされるなど、国際的に非常に高い評価を得ています。 今回の個展では映像作品『ナブアの亡霊』(Phantoms of Nabua)を中心に展示します。本作品は、ミュンヘンの Haus der Kunst、パリ市近代美術館、およびリバプールFACT の3会場での個展で昨年発表してきた新作プリミティブ(Primitive)のプロジェクトにおいて制作された映像作品のひとつです。 『ナブアの亡霊』では、蛍光灯の明かりに頼りなく照らされたナブアの夜の野原で、10代の青年たちが炎のボールでサッカーに興じる姿が描かれます。やがてボールは、野原に立つスクリーンに火をつけて、スクリーンを燃やしてしまいます。ナブアの夜の暗闇と、燃え上がる炎や蛍光灯の光、スクリーンに投影される落雷やプロジェクターの電光、そしてそれらの光を遮る少年達の影。ナブアの夜の野原に交差する光と闇に、記憶、歴史、伝説やその消滅が静かに描かれているようにも読み取れます。 是非本展をご高覧下さいますようご案内申し上げます。

※全文提供:SCAI THE BATHHOUSE

最終更新 2010年 3月 12日
 

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