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2010 FRANTIC UNDERLINES Part 2
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 3月 11日

画像提供:frantic gallery

“2010フランティックアンダーラインは、今この瞬間における日本のアートシーンの変化を支えようと考えています。つまり、「ワンダーランドアート」の専制的な帝国の衰退に従う日本のアートシーンの多元的な面の展開をサポートしようとする展覧会です。我々は現在、多方向につながる交差点に立っています。我々は「スーパーフラット‐マイクロポップ」のバブル化された歴史に平行するアートが見え、遊園地のような自我を忘れる快楽主義ではなく、熟慮と自覚をベースにした展覧会が日常の多くを占めることを予見します。それは将来のアートのスタートラインの一つに成り得る展示であり、ここにずっと存在している作家へのより深いフォーカスのためのベクトルと成り得る2010フランティックアンダーラインを開始致します。 franticは大西彩による柔らかな無限の腸と合わされた日本の箸の構成的な力の研究にアンダーラインを引きます。大西の食物への想像に対する関心に注目し、皮膚のような白い布から落ちる限りないイクラをめぐる新作シリーズを展示します。 franticはジャック・マクリーンにアンダーラインを引きます。マクリーンとは世界の中央美術館とギャラリーを「不本意な収蔵」と言われる作品で攻撃し、グッゲンハイム美術館、ニューヨーク近代美術館、ポンピドゥー・センター 、テート・モダンで誰も気付かないうちに自作のミクロ彫刻を展示することによって、常設展示に参加することとなった作家です。マクリーンはグラスゴー美術大学において、自らが通う美術大学の詳細な放火計画を修士課程卒業制作として発表した名高い作家です。なお、フランティック・ギャラリーはジャック・マクリーの「穴」シリーズ、つまり2008年から2010年の間に東京、ロンドン、ニューヨックなどの公園で穴を掘るための道具とカモフラージュ、またはスケッチ、写真、ドキュメンタリービデオにおいて唯一の代表者となります。その他に、フランティックギャラリーは、今後のマクリーンの穴掘りの仕事を代表し、マクリーンの穴の展示や個人的・公的なコレクションへの明白な販売権を持ちます。 franticは村山誠のInorganic Floraのイメージにアンダーラインを引きます。Inorganic Floraとは、「自然」と「テクノロジー」、「有機体の優美さ」と「科学的な鋭敏さ」、「Botanical Art」と「Technical Art」を総合したものです。ビデオゲームの愉快やガジェットのトリックのつまらなさを用いるニュー・メディア・アートではなく、観客を概念上の革命的な素材と技術、または美術史と日常の物へのより深い感受性に導く日本のニュー・メディア・アートに注目する必要性を我々は強調します。 franticは山本直輝のグラフィックの技法で表現され、ユーモアで満たされた身体切断のイメージにアンダーラインを引きます。我々は彼の作品のシュールレアリスムのような形態と複雑なトポロジーで溢れるストリートアートの雰囲気を強調します。我々は典型的な「日本のアーティスト」とは異なる日本のアーティストを発表する喜びを感じつつ、日本のコンテンポラリーアートにおける固定されたステレオタイプイメージより広い意味を与えることに挑みます。 frantic は有賀礼のワックスの形象にアンダーラインを引きます。彼の不気味な絵画は、蜜蝋とカンヴァスで制作され、ヒステリー状態の女性と朦朧とした男性と思われる肖像を表現しています。全ての絵は無題で、この作品はあらゆるアイデンティティを完全に否定します。すなわち、名前を持たない絵画であり、粘性な固まらない物質から作られ、はっきりとしない顔と安定しない内的世界を持つ人間を表現する絵画なのです。 franticは描かれたものに命を与え、表象において自然と機械の両方をも超える毛利太祐の描写技術にアンダーラインを引きます。ミメシスの技術を加速することによって、毛利は、以前経験されたことのない不気味な美の世界に入り、「現実」、「起源」、「コピー」という問題に新たな側面からアプローチしています。今回は「Resurrections: Giuliano de'Medici(1526-33)」という作品、つまり生き返らせられ、老化の跡を残されたルネサンス彫刻の絵画を発表します。 franticはアグレッシブな強度を持つイメージを生み出す田附楠人による、習慣に従うことのない絵画技法にアンダーラインを引きます。田附はアクリルのパネルを掘り、その空洞にアシッドな色のペイントをかけ、作品の裏を見せつつ展示します。このように田附は、絵画における「表」/「裏」、「ポジ」/「ネガ」を転覆し、「彫る」と「描く」、「彫刻」と「絵画」の間の境界線を取り去ります。 Participating Artists: 大西彩、ジャック・マクリーン、村山誠、山本直輝、有賀礼、毛利太祐、田附楠人
Curator: Rodion Trofimchenko ※全文提供: frantic gallery

最終更新 2010年 3月 19日
 

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