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見るまえに跳べ
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 3月 10日

藤浩志 《Toys Saurus(2009)》 画像提供:3331 Arts Chiyoda copy right(c) Hiroshi FUJI

3331 Arts Chiyoda は、2010 年3 月にプレオープンを迎える、アーティスト主導、民設民営、領域横断のスタイルを旨とした「新しいアートの形をつくる」オルタナティブ・アートスペースです。東京都千代田区秋葉原に位置し、東京と日本各地域、東京と東アジアをつなぐアートネットワークのハブとなります。 旧練成中学校の校舎を改修し、地上3 階、地下1階、屋上スペースと、延べ床面積7,200 平米を超える大型のアートセンターです。前面に広がる練成公園と施設をつなぐ、横幅約24m のゆったりとしたウッドデッキと、施設の1階にある、美術館クラスの広さを持つ白壁の展示室が改修の特徴となっております。 この展示会場を使用した、開館記念展「見るまえに跳べ」は、プロジェクト型アートを牽引してきたアーティストらによる6 つのアートプロジェクトをフォーカスする、プロジェクト・コレクティブ展です。 開館記念展第1 弾「見るまえに跳べ」とは
開館記念展 第1 弾「見るまえに跳べ」は、3331 Arts Chiyodaが育むコンセプトである「アートと地域を結ぶ」ことを目的とした6つのアートプロジェクトによる展覧会です。各プロジェクトの特徴は、独自の OS(オペレーションシステム)を生み出すことによって、地域社会における市民活動に対して新しい意識を誘発し、参加者による自主的な運営組織を作り出すことです。 「見るまえに跳べ Look if you like , but you will have to leap」という名称は、ノーベル文学賞作家、大江健三郎の代表作に由来します。小説のラストシーンに描かれている、主人公が「扉をひらいて外にでる」行動を「跳ぶ」瞬間であると捉え、本人でさえも意識しない日常の行動が、広い世界への関心と理解を生み出すきっかけとなる、ということから、この記念すべき開館記念展のタイトルとしました。 本展のアートプロジェクトは、それぞれの地域で市民の方々と協同作業を育てています。こうしたアートプロジェクトに参加する市民が、活動の中で行う本人でさえも意識しない、日常の小さな行動のある瞬間が「跳ぶ」ことであり、アートなのではないでしょうか。プロジェクトは、こうした小さな行動の積み重ねから市民の内側に潜在する地域の力を可視化させます。アートプロジェクトは日常か らアートを導き出し、地域コミュニティを向上させる環境を作り出す OS( =創造活性装置)として位置づけられます。それは完成作品としての価値だけではなく、「アーティストを触発し、創作活動へと駆り立てる市民との協同活動」にアートの本質を見いだそうとするものです。こうしたアートプロジェクトは「モノ」として理解されがちなこれまでのアートから、「扉をひらいて世界へと踏み出す」アートへ向けての新たな試みなのです。見るまえに跳べ! 出品作家
日比野克彦(アーティスト)、藤浩志(美術家)、八谷P & 中川基・荻野剛・鈴木ヒロシ(化学者/技術者/ Maker)、ゼロダテ アートプロジェクト(秋田県大館市)、アーティスト・イニシアティブ・コマンドN、王俊傑(アーティスト/台湾) *注1:王俊傑(ワン・ジュンジェ)氏は千代田区主催のアーティスト・イン・レジデンス事業における招聘作家です。この作品展示のみ入場無料。 ※全文提供: 3331 Arts Chiyoda

最終更新 2010年 3月 14日
 

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