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児玉太一:Irradiation
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 2月 24日

《Irradiation》2008年|アクリル板にシルクスクリーン、アクリル板|560×457×10mm|画像提供:ギャラリーヤマグチクンストバウ copy right(c) Taichi KODAMA

近年はアクリル板の両面にシルクスクリーンでインクを積層した作品に取り組んでいる。Irradiationというタイトルを付したこの作品は、周囲の光に呼応するかのようにその姿を変えるシアン・マゼンタ・イエロー、三色の色層の重なり合いである。この作品は透明な色彩を重ね合わせたポジフィルムの様であり、このために空間の光が作品に深く関わってくる。

今展はギャラリーの2スペースを使用してアクリル板と映像、二種類のメディアで構成する。映像メディアの白色光から生まれる色彩、色彩から光を見出すアクリルの作品を通じて、「光から色彩/色彩から光」への意識の往来を生み出す。いずれの作品にも停滞したイメージはない。この往来の中見えるのはイメージが形作られる前の光の様である。漠然とした、しかし豊穣な色彩と光との行き来を空間の中で目指している。

ちなみに、Irradiationという聞きなれないこの語句は、『光滲』という意味の光学用語で、カメラのレンズを通して入射した光がフィルムの乳剤層内部で反射拡散し、正規の画像の周囲に滲みとして感光する現象をさす。光滲現象-この語句のもつ意味が、実際の作品の様態を適切にあらわしているように思われ、このタイトルを付したものである。(作家コメント)

児玉太一略歴
1978年 京都府出身
2001年 京都精華大学芸術学部造形学科版画分野 卒業
2003年 京都精華大学大学院芸術研究科造形専攻 修了 個展:
2010年 “Irradiation” Gallery Yamaguchi Kunst-Bau/大阪
2006年 Gallery Yamaguchi Kunst-Bau/大阪
2003年 VOICE GALLERY/京都
2002年 “accumulation” Nomart Edition/大阪
2001年 VOICE GALLERY/京都 受賞: 2003年 京展 京展賞、2004年 第19回ホルベインスカラシップ奨学者 ※全文提供: ギャラリーヤマグチクンストバウ

最終更新 2010年 4月 03日
 

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