| EN |

映像をめぐる冒険 vol.2
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 1月 27日

躍動するイメージ:石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流


石田尚志《海の映画》2006 年(ヴィデオ作品) 画像提供:東京都写真美術館

東京都写真美術館は平成7 年の開館以来、国内唯一の写真と映像の専門美術館として、広範な映像分野全体に関する展覧会を開催して参りました。当館の映像コレクションは、映像前史から現在に至るまで約3000 点におよび、映像作品はもちろんのこと、映像装置や古書書籍など映像文化史を深く探ることのできる希有なコレクションを誇っています。 昨年から新たにスタートしたシリーズ展[映像をめぐる冒険]では、開館以来の映像部門基本コンセプトである5つのテーマ、「イマジネーションの表現」(平成20 年度)、「アニメーション」(21 年度)、「立体視」(22 年度)、「拡大と縮小」(23 年度)、「記録としての映像」(24 年度)について毎年ひとつずつ取り上げ、収蔵作品を中心に、多彩な特別展示とあわせて、歴史から現代の表現までを幅広く紹介します。また、方法論としてあるいは概念としての「映像」について、毎回さまざまな角度から探究していきます。 第2 回となる平成21 年度は、「躍動するイメージ:石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流」と題し、抽象アニメーションの世界をとりあげます。アニメーションの原理をわかりやすく示しながら、一般にイメージされるキャラクター・アニメーション(具象的な物や人、生物などのキャラクターが登場し、物語を進行するアニメーション)とは違う、もうひとつのアニメーション史をご紹介するとともに、あわせて、気鋭のアーティスト・石田尚志による新旧の作品を、特集展示いたします。 第1部:アニメーションの原理
東京都写真美術館の約3000 点におよぶ映像コレクションから選りすぐられた作品を中心に、視覚装置の発達をたどります。フェナキスティスコープ(驚き盤)をはじめとする数々の古典的な映像装置は、そのもの自体が美しい装飾を施しています。また、イードウィアート・マイブリッジ、エティエンヌ・ジュール=マレなど、人や動物などの動きを捉えた写真作品は、それまでの想像だけではわかりえなかった正確な動きを解明しました。そのほか多彩な資料を展示することで、現在の表現へと続く、アニメーションの歴史や原理をご紹介します。
<出品予定>フェナキスティスコープ(驚き盤)、ニュートンの円盤、イードウィアート・マイブリッジ、エティエンヌ・ジュール=マレほか 第2部:抽象アニメーションの源流
初期映画における抽象アニメーションの系譜をひもときます。あわせて同時代の絵画も展示し、絵画運動や、音楽との関係も参照します。
<出品予定>ヴァシリー・カンディンスキー、エル・リシツキー、ラスロー・モホイ=ナジ、ハンス・リヒター、ヴィキング・エッゲリング、オスカー・フィッシンガー、レン・ライ、実験工房、マン・レイ、マルセル・デュシャン、石元泰博・大辻清司・辻彩子 ほか 第3部:<特集展示>石田尚志
この展覧会では、あわせて国際的な活躍が著しい気鋭の映像作家による新作・近作をご紹介します。今回は、世界各国の映画祭・展覧会で活躍する実力派アーティスト・映像作家、石田尚志の特集展示を行います。
<出品予定>《絵巻》1995 年、《フーガの技法》2001 年、《海の映画》2006 年、新作インスタレーション ほか ※全文提供: 東京都写真美術館

最終更新 2009年 12月 22日
 

関連情報


| EN |