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山極満博:PALE BLUE
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 1月 10日

《blank 01》2009年|31.3 x 31.3 cm|C-print 画像提供:ベイスギャラリー

山極は自分と世界の距離、またそのありかたを表現の核として多くのペインティング、写真、インスタレーションを発表してきました。このたびは新作を含め写真作品を中心に個展を開催いたします。ブローニのカメラで撮影した写真を一度スキャンし半分の解像度でPCに取り込む。機械的に読み取られ、現出した平面的でベタな風景は写真とも絵画とも評し難い印象を与え、しかもそれが世界のどこかであるような、しかしいずれでもないような1 カットとして提示されています。花火のように日常から少し離れた対象を選びながら、それらがいずれも特異な表情も持たず、海外の風景を対象にしながら、その異形の佇まいも距離さえも感じさせることがありません。ペタリとして象徴的なものだけを表出させ、ただ淡々と広がる風景、ズレを孕む色彩、そのいずれもが薄い被膜に覆われたようなもどかしさを伴い、山極自身の日々のくらしの手触りを私たちに伝えてくるように思えます。どんな場所も、どんな事象も決定論を持たず、緩やかにただ広がり日常に回収されていくこと。そんな頑是ない自分が持つ、生きていくことへの肌触り、それ自体を写真という言うメディアを使って表現した本展の作品は思いもかけぬ視点を示唆するとともに、あいまいさに包囲される私たちのくらしを改めて振り返る契機を作り出すものです。本展は山極の当画廊における初の個展となります。 ※全文提供: ベイスギャラリー

最終更新 2010年 1月 15日
 

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