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第4回shiseido art egg
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 1月 07日

資生堂ギャラリーは、1919年のオープン以来「新しい価値の発見と創造」という企業理念のもと連綿と活動を継続し、本年、開廊90周年を迎えています。

shiseido art egg (シセイドウアートエッグ)は、資生堂メセナ活動の原点に立ち戻り、広くギャラリーの門戸を開放し、新進アーティストの活動をサポートする公募制のプログラムです。

4回目となる本年は、全国各地より336件の応募をいただきました。資生堂ギャラリーの空間を読み解いた魅力的なプランの応募が目立ち、複数回のチャレンジという方も見受けられ、熱い審査となりました。
<審査員:岡部あおみ(武蔵野美術大学教授/資生堂ギャラリーアドバイザー)、水沢勉(神奈川県立近代美術館副館長兼企画課長/資生堂ギャラリーアドバイザー)、資生堂企業文化部>

曽谷朝絵<鳴る色> 2010 photo by 洲崎一志

岡本純一<ソフィーの森-出口-> 2009 photo by 加藤健

村山悟郎 左 <神の宿る部分> 2009 右 <浸透する ドリフトする> 2009 東京都現代美術館蔵 photo by 木奥恵三

その中で、新たな表現の創出や、次世代を担う可能性の観点もあわせ、応募プランを実現願いたいと感じた、曽谷朝絵、岡本純一、村山悟郎の3人が入選となりました。

資生堂ギャラリーでは、下記の日程で入選者それぞれの個展を開催いたします。三人三様の世界を是非ご高覧ください。 展覧会終了後、3人の審査員により、3つの個展の中からshiseido art egg 賞を選出します。今年度の審査員は、青木淳(建築家)、児玉靖枝(画家)、三嶋りつ惠(ガラス作家)の3 氏です。

曽谷朝絵 展 :2010年1月8日(金)~1月31日(日)
岡本純一 展 :2010年2月5日(金)~2月28日(日)
村山悟郎 展 :2010年3月5日(金)~3月28日(日)

曽谷朝絵
(1974 神奈川生まれ)曽谷朝絵は、光に対する鋭敏な感覚と、淡く透き通るような色彩で、視覚だけでなく、触覚や聴覚といった人間の身体性に訴えかける油彩画を制作しているアーティストです。本展では、「色が奏でる音の反響」をテーマに、色とりどりに彩色し波紋型に切り抜いたカッティングシートやビニールシートを用いて、資生堂ギャラリーの壁面、天井、床の全てにアプローチ。資生堂ギャラリーの空気が波打つようなインスタレーション作品を発表します。鑑賞者を非日常の世界に誘う、色が奏でる世界にご期待ください。

岡本純一
(1979 兵庫生まれ)岡本純一は、美術と日常の境界を見つめ、空間をドラマティックに変容させる彫刻家で、近年は、ワークショプによる作品制作も手がけ、活動の場を広げています。本展では、資生堂ギャラリーの空間を「彫刻」することを試みます。まるでチェーンソーで削り取ったかのように大胆かつシンプルに資生堂ギャラリーを二つに分断して明と暗、日常と非日常等の二極の境界を出現させ、さらに鑑賞者が両極の世界を行き来することができる仕組みをつくります。私たちの身体感覚と知覚に静かに語りかける展示空間にご期待ください。

村山悟郎
(1983 東京生まれ)村山悟郎は、麻紐を編み、下地を引き、描画する、そしてそれを見るという4つの行為を円環的に反復、変奏させていく、従来の絵画とは異なる独自のシステムで巨大な平面作品を作っています。本展では、このシステムによる新作を発表します。支持体形成と描画行為の反復が相互に浸透しながら拡大していく、システマティックでありながらどこかプリミティブで神秘的な作品が、資生堂ギャラリーの空間に広がります。数本の麻紐から膨大な時間と複数の要素を編みこんで展開していく、村山悟郎の新たな絵画の世界にご期待ください。

※全文提供: 資生堂ギャラリー

最終更新 2010年 1月 08日
 

編集部ノート    執筆:小金沢智


曽谷朝絵展「鳴る音」

波紋状に切り取った色とりどりのカッティングシートとビニールシートを床面、壁面には重層的に貼り付け、天井からはモビールのごとく垂れ下げることで空間を構成。見渡すかぎりが鮮やかな色で満たされ、色彩と形態のダイナミズムを感じることができる。ただ、入場の際シューズカバーを履く必要があるものの、図柄の上に乗る許可が与えられているわけではない。乗っても問題ない素材を用い、鑑賞者が自由に歩き回れるよう作られていれば、より作品を体感できたのではないか。


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