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ツァオ・フェイ(曹斐):Live in RMB City
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 11月 12日

作家名: Cao Fei/China Tracy 作品名: Live in RMB City 素材: Video 制作年: 2009 © RMB City 2009 Courtesy of Vitamin Creative Space

1978年、中国広州生まれのツァオ・フェイ(曹斐)は、中国を代表する新進の若手女性アーティストとして注目を集めており、映像、写真、パフォーマンス、インスタレーションなど、さまざまな形式で作品を発表しています。

ツァオ・フェイは、子どもの頃から、香港を経由して持ち込まれた日本や欧米のポップカルチャーに強い興味を持ち、広州美術学院入学後に映像作品の制作を始め、在学中に当時の中国にとって先駆的なデジタルビデオ作品を制作します。

以降、ヒップホップやコスプレなどといった、現代の若者文化に顕著な要素なども取り上げながら、経済開放後の中国社会の急激な変化や都市の混沌とした状況を、深い洞察を持った鋭い視点でとらえつつ、そこに生きる人々を、ユーモアを交えて描き出しています。 2001年のベルリン・ビエンナーレ、02年の韓国・光州ビエンナーレ、03、07年にはベニス・ビエンナーレなど、中国や韓国などのアジア各国に加え、ヨーロッパでも数多くの展覧会に参加、日本では、05年の福岡アジア美術トリエンナーレ、08年の横浜トリエンナーレなどに参加しています。

本展では、彼女が2009年1月より、オンライン仮想世界「セカンドライフ」(http://jp.secondlife.com)内に本格展開した、RMB City Project(http://rmbcity.com)の新しい試みを紹介します。

RMB Cityとは、セカンドライフに存在する仮想都市の名称で、バーチャル空間内における創造活動のための公共プラットフォームとして、ツァオ・フェイによってつくり出されました。RMB Cityには現代中国の都市に見られる特徴的な建築物や場所が存在し、現代中国の縮図のようになっています。

ツァオ・フェイは、2007年の第52回ベニス・ビエンナーレで、チャイナ・トレイシーという名の自身のアバター(化身:オンライン上のキャラクター)の、セカンドライフ内での半年間にわたる体験と出会いをもとに制作したセミドキュメンタリー作品『i. Mirror』を発表、同年の第10回イスタンブール・ビエンナーレではRMB Cityの都市開発計画を映像化した作品『RMB CITY: A Second Life City Planning』を発表しました。その後も世界各地で展覧会を巡回しながら、RMB Cityの企画・構築を進めてきました。そして、2009年1月にRMB Cityのグランドオープンをむかえ、RMB City Projectがスタートしました。RMB City Projectは、2年間にわたって世界各地の美術館・国際展などを巡回し、RMB Cityが成長・変化していくプロジェクトです。

今回は、RMB City Projectの一環として制作される新作『Live in RMB City』も発表いたします。 ツァオ・フェイのつくり出す仮想世界RMB Cityをぜひお楽しみください。

全文提供: 資生堂ギャラリー

最終更新 2009年 10月 27日
 

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