展覧会
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2009年 10月 28日 |
昨年の「くらき光と色」に引き続き、今年は「風景・Landscape」をテーマに3画廊同時開催。 集雅堂、香川画廊、GALLERY ZEROの3画廊の合同企画展シリーズ。今年は「風景・Landscape」をテーマにした古今東西の作品を、旅人となって大阪の町を東西に巡りながら展観することができる。
GALLERY ZEROでは、一見風景と反するような「Grotto (洞窟?)」に焦点を合わせてみることに致しました。私たちを取り巻くものが風景であるなら、市中から眺める都市の姿は、地上に造り上げられたアリの巣かもしれません。通路と様々な部屋が大規模かつ複層的に結合されたものが都市の姿なのです。そして最終的に行き着くところが、扉一枚で仕切られた貴方の部屋、グロッタなのです。
グロッタはルネッサンスの廃虚趣味に端を発します。かたや洞窟は、地中にある、人が入れる程度の大きさのある空間とでも言えるでしょうか。閉じられた子宮状か、またはその先に冥界や桃源郷が存在していることも有ります。オルフェウスやイザナギが行き交い、寺院が穿たれ、ルードヴィッヒがまどろむのもグロッタなのです。グロッタは、人工・自然・現実・幻想が混じり合った多義的な空間といえるでしょう。 現代のグロッタでも、モニターが有れば様々なマレビトがおとずれてきますし、閉じれば聖域にもなるのです。その小空間を、私たち現代人を取り巻く体感しうるリアルな風景として考えてみました。閉塞した現在、そこから私たちは新たなステージへと再生してゆくのでしょう。
今回は矢部奈桜子と新人、上田真由美の絵画がモニターの役目をはたします。
矢部奈桜子(Naoko Yabe) 1978年 大阪に生まれる。 2003年 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程修了 個展: 2008年 GALLERY ZERO、大阪
上田真由美(Mayumi Ueda) 1984年 大阪に生まれる。 2009年 東京造形大学美術学科絵画専攻卒業 受賞歴: 2004年 堺市展 理事長賞 、 堺市新人展 入選
※全文提供: ギャラリーゼロ
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最終更新 2009年 11月 24日 |