三宅砂織:CONSTELLATION 2 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 10月 15日 |
三宅砂織(1975年生まれ)は、写真やドローイングなどの平面作品を中心に発表していますが、その中でもここ数年、フォトグラム作品に多く取り組んでいます。 フォトグラムとは、カメラを使わずに印画紙の上に直接物を乗せて感光させた写真作品です。数枚のフィルムに描かれたドローイングなどを、タイミングをずらしながら配置することによって、微妙なグラデーションが生み出され、独特の奥行きや質感が浮かび上がってきます。焼き付ける作業をおこなう時に、三宅自身がドローイングの位置やそれぞれを乗せるタイミングなどをその都度調整しながら制作されるため、作品にはエディションはなく、すべてユニーク作品となります。 三宅は以前より、神経からの刺激を繋ぎ合わせて人間の知覚や感情が成立するという考え方に興味を持っていおり、ひとつひとつの刺激を点ととらえ、それを繋いでいくということは、星の輝きを繋げて星座を読むことに似ていると感じています。それは前回の個展からつづく展覧会タイトルである「CONSTELLATION」にも表れていて、このタイトルには「星座や星の位置」という意味の他にも「美しいものの集まり」としての意味も含まれています。 展示されるそれぞれの作品は、輝く星を繋げてできた「CONSTELLATION」であると同時に、ギャラリーに繰り広げられる空間そのものもまた「CONSTELLATION」であるのです。 フォトグラム作品16点を中心に展示いたします。どうぞご高覧ください。 ※全文提供: ユカ ササハラギャラリー |
最終更新 2009年 11月 21日 |
ダークファンタジーな世界が展開されるフォトグラムペインティングと呼べる新次元絵画。フォトグラム特有の感光現象と複雑な工程を経て生まれるドローイングのグラデーションから強度あるイリュージョンが生成され、この世ならぬドリーミーな浮遊感が漂う。夢とうつつを往還するような三宅の「絵画」は、ここではないどこかへ私たちを立ち会わせる交感の場である。