展覧会
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執筆: 記事中参照
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公開日: 2009年 10月 04日 |
第3回大黒屋現代アート公募展にて大賞を受賞いたしました、加藤直子による作品展。
近年、作品制作において明確に意識しているのは、個々のかたちの繋がり方と、個々のかたちの繋がりによって発生する線の2点です。その2点を美意識と道徳としています。
あるひとつのかたちを描くと、そのかたちとその紙の大きさや質感などの様々な要素によって、もうひとつのかたちが「要る」とか、あるいはまたひとつ、もうひとつ、と、かたちが増えて行ったりします。または、「要らない」かたちを描いてしまったりします。それを意識しながらさらに描き続けて全体像が見えてくると、個々のかたちの「要る」「要らない」の判断そのものが「要らなく」なって来たりします。小さなかたちは、それぞれ方向性とボリュームを持ち、それらの要素を次のかたちへ繋げて行くという作業を続けると、繋がりの「線」が出てきます。
作品は、世界観を表現するささやかな社会だと思って取り組んでいます。その社会とは人体であったり、脳の中の神経細胞組織であったり、または一冊の本、庭、会社や街、あるいは家系や家族であったり、時にはある一日から人生そのものまで拡張したり、その投影先とスケールの大小も様々です。このように、どのような対象にも投影できる公約数というか、アーキタイプのようなものを、作品制作のプロセスとして作り上げたいと思っています。
全文提供: 板室温泉 大黒屋
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最終更新 2009年 10月 01日 |