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阪本結:ハイドアンドシーク
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2014年 4月 15日

 

KUNST ARZT では、阪本結の個展を開催します。
阪本結は、一つの物語から、独特の色彩センスとタッチで複数の絵画イメージを抽出・制作し、一つの壁面/空間を構成するアーティストです。タイムラインに沿って一つの物語を展開する映画などとは違い、ただの断片でしかありませんが、絵画性豊かな断片だからこそ、鑑賞者の脳内メディアによって、各シーンを結び、関連付ける力を内包し、シンプルではありますが、とても優れたインタラクティブ性を持ちます。 本展では、メインルームに抽出絵画群、サブルームに物語を掲示する構想です。ご注目頂ければ幸いです。
(KUNST ARZT 岡本光博)

[作家コメント]
夜に電車に乗って家へ帰る途中、人と別れた後、ご飯を作る前などに、
私は漠然とした喪失感や不安、孤独を感じることがあります。

普段は仕事や遊びなどの雑事で占められている心に、ほんのわずかな空白ができたとき
その小さな隙間を埋めるように喪失感が生じます。
「失ったものに心当たりは全く無い。それでも今間違いなく、私には大切な何かが足りていない。
淋しい、誰かと繋がりたい。」
そのように人が根本的に抱いている“寂しさ”や“喪失感”というものを糸口として私は作品を制作しています。

私の作品に登場する人々は漠然とした不安や寂しさ、喪失感を抱えている(もしくは抱えた過去がある、今後抱える)人として描かれています。
自身のミッシングピースとなる存在を見つけた者、手に入れた者、失った者、見つけられない者。
それらは展示会場の壁面上で出会い、相互に補い合い、全体でひとつの空間を作りあげ、ひとつの物語を紡ぎます。
バラバラに描かれた作品同士が出会い、ひとつの在るべき形にまとまる様は、私が“出会い”という事にみる理想と希望の形なのです。

私にとって、誰かあるいは何かと出会うことはそれ自体が希望です。
“出会い”は私の抱える寂しさや喪失感を消し去る可能性を秘めているからです。
言いかえれば、私の抱える寂しさや喪失感は、新たな“出会い”を求めるモチベーションです。
私は“出会う”ことを前提とした孤独を描くことで、次へと進むことへの希望を表現したいと考えています。

[作家プロフィール]
1988 京都生まれ
2011 京都市立芸術大学 美術学部 油画 卒業
卒業後、約1年間オーストラリアで過ごす
2012 帰国

【個展歴】
2012 GOOD TRIP, Gallery i, 京都

【その他】
2013 アトリエオクハシ収穫祭2013, 近江八幡 白雲館 2Fギャラリー, 滋賀
KYOTO CURRENT 2013, 京都市美術館別館, 京都
蓮華荘オープンスタジオ 2013 -work and life-, 蓮華荘, 京都
KYOTO STUDIO, 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA, 京都
2012 KYOTO CURRENT 2012, 京都市美術館別館, 京都
蓮華荘オープンスタジオ 2012 -art and life-, 蓮華荘, 京都
2011 京都市立芸術大学作品展, 京都市美術館, 京都

【受賞】
2011 京都市立芸術大学作品展, 同窓会賞


全文提供:KUNST ARZT
会期:2014年6月24日(火)~2014年6月29日(日)
時間:12:00 - 19:00 (最終日17:00まで)
休日:月
会場:KUNST ARZT
最終更新 2014年 6月 24日
 

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