鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 8月 15日 |
本展は、現在国内外から高い注目を集めるアーティスト・鴻池朋子の初の包括的な個展です。《第4章》から《第1章》へとさかのぼって発表された巨大な絵画「物語シリーズ」(2004-06)など、神話を想起させる象徴的なモチーフがくり返し現われる作品は、鴻池の独特な表現世界を築き上げてきました。 スケールの大きな新作のインスタレーションとこれまでの代表作によって、展覧会を「地球の中心への旅」にした本展は、観客自身がトラベラーとなり、想像力を駆使して、地球の内部という未知の世界を体験します。 鴻池朋子(こうのいけ ともこ) 97年より作品を発表。出品作品すべてを巻き込む展示力で、壮大なスケールの世界観を表現し高い評価を得ている。 また、2005年より4章からなる巨大絵画の物語シリーズを東京都現代美術館、森美術館(東京)、大原美術館(倉敷)等で発表し、時間という命題を「物語」という仕掛けとして展覧会に取り込み話題となる。 06年「The Scarecrow」アヴァロフ美術館(ギリシャ)、「Rapt!」CCP(オーストラリア)、08年「広州トリエンナーレ」広東美術館(中国)他、海外展も多数参加。白く顔のない「みみお」などの独自の生きものが登場するアニメーションや絵本の制作、澁澤龍彦『狐媚記』(平凡社)の挿絵、「Aランチ」、「六感の森」展などの展覧会企画など活動は多岐にわたる。国内外美術館等のコレクション多数。 全文提供: 東京オペラシティアートギャラリー |
最終更新 2009年 7月 18日 |
神話的な物語が壮大なスケールで展覧会全体に渡って繰り広げられる鴻池朋子の初の包括的な個展。しかし、その「神話」は抽象的で感情移入ができず、個々の作品がもつ「世界」との整合性はない。要所で効果的な役割を果たす襖絵も小道具として生かしきれておらず、その「神話」は宮崎駿映画の世界観に似た既視感を感じさせるファンタジーである。