佐藤裕一郎:新世代への視点 2009 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 7月 30日 |
地中で蠢く大地のエネルギーに充ちた、幅18メートルの大作「shadow in soil」を、ギャラリーの壁面全てを覆いつくすように展示いたします。 佐藤は1979年生まれ、東北芸術工科大学の日本画を修了後、関東を拠点に活動を行っています。これまでに、「日本画滅亡論」(中京大学アートギャラリーC・スクエア/2007年)、「METAⅡ2009展」(日本橋高島屋美術画廊X/2009年)などに参加し、“日本画”の枠組みにとらわれず、その可能性を切り拓く展覧会において、会場を制圧するほどのスケールの大きな新作を発表しています。 山形の自然の中で生まれ育った佐藤は、「地」を見つめ、幼い頃から体感してきた自然界の“絶対的な力”をテーマにした大作を次々と発表しています。地中世界に循環する「生命」の生成や大いなるエネルギー、そして宇宙の形成をも想起させる大作を、ぜひ体感していだきたく存じます。 【作家コメント】 【佐藤裕一郎 プロフィール】 <個展> 全文提供: ギャラリー58 |
最終更新 2009年 7月 27日 |
20枚のパネルからなる、総長18メートルもの大作≪shadow in soil≫(パネル・和紙・顔料・染料・金属粉、227cm×18m)が展示室壁面に添うように展示されている。昨年同所での個展で発表した作品が〈静〉ならば今回は〈動〉であり、光や風のような一定のかたちを持たないもののダイナミズムがそこにはある。おそらく佐藤が描こうとしているものは壮大だがきわめてシンプルな現象と想像するが、それを作品として結実させるための努力を厭わない愚直なまでの誠実さが絵画を貫いている。展示空間に身を置くことが絶対的に必要とされる、私たちのからだを外に向かって〈開かせる〉作品である。