今夏ポートギャラリーＴでは、下記の通り3名の写真家を連続でご紹介してまいります。

7月　楢橋朝子
8月　キリコ
9月　潮田登久子

7月にご紹介する楢橋朝子（ならはしあさこ）は、1959年東京生まれ。1989年早稲田大学第二文学美術専攻卒業。1998年日本写真協会新人賞、2004年第16回写真の会賞、2008年第24回東川賞国内作家賞を受賞。現在東京を拠点に国際的に活躍する写真家です。1989年の初個展『春は曙』以降、毎年作品を発表。その発表回数はもとより確実に存在する膨大な撮影量は推し量ることすらできません。撮影スタイルを『全天候型』と称す通り、「撮影の量」だけでなく「目の前を通過する風景の量」は現時点でも増幅し続けています。写真を繰り返し見るうちに、驚異的なシューティングでシャッターを押しているであろうことが伺い知れた瞬間、「ここまで人を動かす“写真”とは一体なにか？！」と、興味が尽きません。個何度見ても、何度も見たくなる引力を備えた楢橋のスナップショットの極意は、そのプリントワークに結実していきます。2009年の個展『フニクリフニクラ』で、大阪で初めてカラープリントをご紹介し皆様に喜んでいただきました。

今回のビューイング企画は、楢橋朝子のプリントをもっと見たい衝動から始動しました。来年開催予定のギャラリーでの展覧会の序章として、『half awake and half asleep in the water』をはじめ、関西で初めてご覧いただける作品が、このほど大阪に到着いたしました。

どうぞ楽しみにギャラリーのドアを開けていただけましたらと思います。お一人でご覧いただけるスペースを整えて、皆様のお越しをお待ちしております。