奥田は1980 年大阪生まれ、2005 年に大阪教育大学大学院を修了後、学校に勤務するかたわら制作を続け、大阪を中心に活動し、同年「夢広場はるひ絵画ビエンナーレ」で奨励賞を受賞しました。
作品は光に溶け込むような風景画を基調とし、映し出される対象は必ずしも鮮明ではなく、作者の目が捉えた現実的な風景が、感性や思考という内面的で精神的な過程で濾過されてきた、いわば情景の記憶とでも言える風景が描写されています。
作品の多くには人物も配され、風景の大きなスケール感の中で卑小とも言える存在感ですが、シンプルに描かれながらも風景と一体化して溶け込み、自然と共にある人間の営みやありようを示し、そこに精神性をも感じさせる存在感をもたらしています。
一方で曖昧で不鮮明な風景と人物は、時代の曖昧さをも表現しているかのようであり、作品そのものの持つ具象性や抽象性といった範疇をも曖昧にしています。先般の震災や原発事故を経験した私たちは、より一層未来への不鮮明さを感じているところですが、作品にみられる茫洋とした光に満ちた風景は、かすかに見える希望の光、未来を予感させる曙光とも感じられます。
今展では大阪で発表された作品を含む15 点前後の展示を予定しています。作者の新境地をご高覧いただければさいわいです。
大きな世界を画面の中に閉じ込めようとがんばって、いつも負けています。 そんな小さな存在である自分を確認したいだけなのかも?しれません。 -2011 年 奥田文子
奥田文子 1980 大阪府生まれ 2003 大阪教育大学 教育学部教養学科 卒業 2005 大阪教育大学大学院 芸術文化専攻 修了 2006 第20 回 ホルベインスカラシップ奨学生
個展 2004 GALLERY wks.(大阪) 2005 STREET GALLERY(兵庫) 2006 Gallery Den(大阪) 2007 GALLERY wks.(大阪) . Gallery Den(大阪) 2008 Gallery Den 58(大阪) GALLERY MoMo Roppongi( 東京) 2010 2kw Gallery(大阪)
グループ展 2001 グループ展 (SUMISO/ 大阪) 2002 「吉原治良賞美術コンクール展」 大阪府立現代美術センター(大阪) 2003 「京展2003」 京都市美術館 「熊谷守一大賞展」 アートピア付知文芸プラザ(岐阜) 2005 「夢広場はるひ絵画ビエンナーレ」 はるひ美術館(愛知) 「P&E 展」 アートコートギャラリー(大阪) 第18 回美浜美術展 2006 「ワンダーシード2006」 トーキョーワンダーサイト渋谷(東京) 「奥田文子・早川知加子展」 GALLERY MoMo(東京) 「シェル美術賞 2006」 代官山ヒルサイドフォーラム(東京) 2008 「ワンダーシード2008」 トーキョーワンダーサイト渋谷(東京) 「VISUAL SENSATION VOL.3」 Gallery Den 58 (大阪) 「Opening Exhibition」 GALLERY MoMo Ryogoku(東京) 2009 「Art Court Frontier 2009」ARTCOURTGallery(大阪) 「 Summer Group Show Hop Step Jump」GALLERY MoMo Roppongi ( 東京)
※全文提供: ギャラリーモモ
会期: 2011年9月24日(土)-2011年10月15日(土) 会場: ギャラリーモモ六本木 オープニングレセプション: 2011年9月24 日(土)18:00 - 20:00
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