王子直紀:那覇・川崎 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 6月 25日 |
王子直紀(1977年東京都生まれ)は10年にわたるキャリアのなかで、膨大な量のスナップショットを撮り、発表してきました。川崎が現在までの中心的な撮影地ですが、近年では沖縄やソウルなどの都市や、トカラ列島や千葉・房総などへ、徐々に広がりを見せています。そして、王子は現在も継続してスナップショットの可能性に賭けるかのように大量に写真を撮り続けています。 本展では、沖縄県那覇市と神奈川県川崎市にて撮影されたカラー写真とモノクロ写真が展示されます。これまでと同じ大量に撮るというスタイルをとりながらも、本作では土地への興味がより前面にあわられて居ます。しかし、王子の写真には那覇や川崎といった場所をあからさまに象徴するものは写されていません。むしろ、どの街でもかならず目にするような、人や看板、鳩や街路樹、神社や工場などが、てらいなく真正面からとらえられていたり、あるいはブレやボケをともなって写されています。その写真は、私たちにどこか馬鹿馬鹿しさや滑稽さ、ときには寂しさやユーモアを感じさせもします。王子のスナップショットは、そうした象徴的ではないものを大量に撮ることで、那覇や川崎といった街を立ち現そうとしているのです。 全文提供: photographers' gallery 会期: 2011年7月20日(火)-2011年8月10日(水) |
最終更新 2011年 7月 20日 |