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早川克己:ハコモノ:都市に潜む魔術的リアリティー
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 5月 28日

《ハコモノ# 2 (Boxes #2)》2010年
Paper, ink-jet print, glue on paper|46 x 61cm
画像提供:ギャラリーモモ|© Katsumi Hayamawa

早川克己は1970 年栃木県生まれ、92 年日本大学芸術学部美術学科版画専攻卒業、98 年にはSchool of visual arts、New York にて修士号を取得、その後はニューヨークのDaniel Silverstein Gallery を皮切りにヒューストンのMcClain Gallery での個展など、主にアメリカでの制作発表を続け一昨年帰国、私たちのギャラリーでは、昨年両国での個展に続き2 回目の発表となります。

絵の具を何層にも重ねて色層を作り、表面を電動ドリルで削り取って色を掘り出した昨年の展示とは異なり、今展ではペーパーを立体的に構築し、それらを並置することで都市の構造物を俯瞰する様相を見せています。一見、平面作品より空中からの高度を下げて、より鮮明に見える構築物や都市空間のようでもありますが、そうした遠近法的構成を意図したものではなく、作られた空間の虚と実への考察が試みられています。

鑑賞者との相対的な関係性からも、新たな表現の可能性を探りたいと作家は述べていまが、ペーパーワークによる作品10 点前後の展示を予定、ご高覧いただければさいわいです。

在るのに無いもの、或は、無いのにあるもの。それが空間です。卑近な例としては、ドーナツの穴。それは在るのか無いのか。
前回の個展では、平面における空間のありようについて、基本的な透視図法を用いて様々な考察を試みました。今回の展示では、紙で作った数種類の直方体や立方体を構成し、イリュージョンではない実際の空間をつくり、また、色彩も極力抑えることによって、絵画の構成、構造そのものについて様々な角度から考え試行錯誤しながら製作された一連の作品を発表しています。
空間概念の虚と実、鑑賞者と作品の相対的な関係性についての考察を通じて、新たな表現の可能性を探求できればと思っています。
2010 年 早川克己

早川克己
1970 栃木県生まれ
1992 日本大学芸術学部美術学科版画専攻卒業
1998 School of Visual Arts, New York 修士号取得

個展
1999 Daniel Silverstein Gallery( ニューヨーク)
2000 Daniel Silverstain Gallery(ニューヨーク)
McClain Gallery(ヒューストン)
2004 McClain Gallery(ヒューストン)
2007 GarsonBaker Fine Art( ニューヨーク)
2008 McClain Gallery( ヒューストン)
GarsonBaker Fine Art( ニューヨーク)
2009 GALLERY MoMo Ryogoku(東京)

グループ展歴多数。

スカラシップ & アワード
1997 INTERENATIONAL ENCAUSTIC WORKS '97 最優秀賞(New York)
2005 第20回 ホルベインスカラシップ
2006 野村国際部文化財団助成

※全文提供: ギャラリーモモ


会期: 2010年6月12日-2010年7月3日

最終更新 2010年 6月 12日
 

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