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平体文枝:わたしをふりかえる
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Published: October 12 2016
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だれのものでもない

平体文枝の作品は物語のようです。
内なる情熱を確かめる美しい色彩の連なりは、ゆっくりページをめくる私小説であり、日記であり、ときに変奏曲の譜面でもあります。
大胆に見えるストロークもオイルスティックを用いたマチエールも、繊細で深みがあり、能登の海の寒々しさとベルギーの空気感が相まって、見る者をまだ見ぬ地への旅へといざないます。
直接的に社会を描いていなくても私たちは、世界中で起きている様々な状況のなか今を生きていて、だからこそ、色彩が美しいほど、また重層的に描きこんでいるのにシンプルに見えるほど、複雑な気持ちも社会もここに静かに仕舞われて心に深く届くのです。それはとても高尚で崇高な物語です。

ギャラリーカメリア

http://www.gallerycamellia.jp/

全文提供:原田直子


会期:2016年10月11日(火) 〜 2016年10月23日(日)
時間:12:00-19:00
休日:10/17 月曜日
会場:ギャラリーカメリア

Last Updated on October 11 2016
 

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