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アントワープ王立美術館コレクション展 アンソールからマグリットへ ベルギー近代美術の殿堂
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 4月 28日

レオン・フレデリック 《咲き誇るシャクナゲ》 1907年 油彩, キャンヴァス|122.0 x 72.0 cm
画像提供:東京オペラシティギャラリー

名作『フランダースの犬』の舞台として知られるベルギー北部の都市アントワープは、古くから商業・金融の地として、また、さまざまな文化・芸術の交流の場として発展してきました。近年、アントワープはファッションの中心地としても知られ、最先端のカルチャーシーンを牽引する都市のひとつです。

本展は、アントワープ王立美術館が所蔵する14世紀から20世紀にわたる幅広く膨大なコレクションの中で、質量ともに特に充実した19世紀末から20世紀中頃までのベルギー絵画を紹介するものです。ベルギー近代絵画の3大巨匠とも呼ばれるルネ・マグリット、ポール・デルヴォー、ジェームズ・アンソールをはじめレオン・スピリアールト、フェルナン・クノップフなどの象徴派、フランドル表現主義、シュルレアリスムなどの39作家、計70作品によって、ベルギー近代美術の流れをたどります。

そのうち63点が日本初公開です。マグリットの名品《9月16日》も特別出品されます。幻想と現実が交差するベルギー美術の魅力を存分にお楽しみください。

【展示内容】
フランスとドイツに接し、両国の影響を受けつつ独自の発展を遂げていったベルギー近代美術の流れを展観できる展覧会です。

第1章 アカデミスム、外光主義、印象主義
19世紀後半、ベルギーでは進歩的な芸術思想が流行し、写実主義的な風景画を描くアルタン、ヴェルヘイデンなどの作家が現れます。彼らの作風は、やがてアカデミックなものとみなされるようになります。19世紀末には、エヴェヌプールやフィンチなどの作家たちが、スーラの点描技法をいち早く取り入れます。第1章では、写実主義や印象主義などの影響が顕著な繊細かつ、色彩鮮やかな絵画をご覧いただきます。

 

第2章 象徴主義とプリミティヴィスム
20世紀初頭、表現主義の作家たちによって見いだされたアンソールは、世界的に最も著名なベルギーの画家の一人です。アンソールが活躍していた頃、ベルギーでは神秘的で、かつ秘儀的な雰囲気の作風を手がけたクノップフやスピリアールトのような象徴主義の作家もいました。その中には、ゲント近くのラーテムという町に移住し、制作に没頭したデ・サデレールやファン・デ・ウーステイネなどの画家もいます。彼らの作品は、深遠でメランコリックな世界へと鑑賞者を誘います。

第3章   ポスト・キュビスム:フランドル表現主義と抽象芸術
ドイツ表現主義に影響を受け、激しい色遣いや、大胆な構図を用いたデ・スメットやペルメーク、ピカソとブラックが創始したキュビスムに影響を受け、やがて抽象絵画を手がけたドナスやキームネイなど、ヨーロッパの前衛美術を積極的に取り入れていったベルギーの画家たちの活動を取り上げます。

第4章  シュルレアリスム
ベルギーにおいて、夢や無意識の世界を絵画世界に展開したシュルレアリスムの動向は、1926年頃から見られるようになります。その中心的人物がマグリットであることは、もはや言うまでもないでしょう。また、シュルレアリスムの運動に与することはありませんでしたが、きわめて超現実的な世界を描き出したデルヴォーの作品など、現在でも強く世界の人々を惹き付けるベルギーの幻想美術をご覧いただきます。

※全文提供: 東京オペラシティアートギャラリー


会期: 2010年7月28日-2010年10月3日

最終更新 2010年 7月 28日
 

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