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横山裕一:ルームと世界地図
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 5月 29日

 

横山裕一(1967年宮崎県生まれ)は、油絵を学んだのち、“時間を描く”表現方法として漫画を選び、疾走感のある描線や独特なキャラクターが印象的な作品を展開しています。

『ニュー土木』、『トラベル』、『NIWA』、『ベビーブーム』など多くの著書は国内での高い評価に留まらず、フランス、アメリカ、イタリア、スペイン、ロシアなどで翻訳され、世界中で注目を集めています。その注目度に比例して、国内外で多数の展覧会に参加し、2010年には初の大規模個展として「横山裕一 ネオ漫画の全記録:『わたしは時間を描いている』」(川崎市市民ミュージアム)が開催され、大変話題となりました。

より詳細に時間を追い、我々の眼前でただただその光景が展開されていく横山裕一の漫画は、いつしかストーリー漫画が主流となった現代において、既成概念としての漫画から逸脱した存在ともみられるかもしれません。しかしながら横山の作品に、わたしたちは戸惑うどころか、決して離されることなく、強く引き込まれていきます。それは横山が漫画の基本に正直かつ忠実であるために、ひたすら純粋に観る側も一緒となってコマの中を流れゆく時間を旅することができるからであり、そして漫画の機能を超える“ネオ漫画”として提示される独自の表現、音/言葉/動き/キャラクター、そのすべてがそうさせるのです。

本展では、6月1日刊行予定の最新著書『世界地図の間』(イーストプレス)の原画をはじめ、そのボツ原画を用いて無数の顔がコラージュされた新作を発表いたします。 膨大な量の顔たちが隙間無く寄り添う様は横山の漫画を凝縮したようであり、その存在感に圧倒されます。

横山が『世界地図の間』を“劇画”と表するのに対し、“ギャグ漫画”であるという『ルーム』(6月1日刊行予定、ハモニカブックス)にも通ずる作品を含む、1990年代にペンキで描かれた初期絵画作品を展示いたします。初期絵画に見え隠れする人や景色は時を経て、新たに刊行される2作品『世界地図の間』『ルーム』へと繋がっていると言えます。

またこれまでに発表した作品の原画も多数並ぶほか、あわせて横山作品の中に登場する様々な容貌とファッションを持つキャラクター達のアイデアスケッチも閲覧できるようになっております。

オープニングレセプション:6月1日(土)18:00-20:00


全文提供:ARATANIURANO
会期:2013年6月1日(土)~2013年7月6日(土)
時間:11:00 - 19:00
休日:日・月・祝
会場:ARATANIURANO
最終更新 2013年 6月 01日
 

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