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李演:Snippet
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 2月 25日

SNIPPETS NO.2 (painting 4) 2008年 キャンバスにアクリル、20x30cm Courtesy of YAMAMOTO GENDAI copy right(c) Li Yan / Courtesy of YAMAMOTO GENDAI

SNIPPETS NO.6 (painting 1)2008年 キャンバスにアクリル、20x26cm Courtesy of YAMAMOTO GENDAI copy right(c) Li Yan / Courtesy of YAMAMOTO GENDAI

1977年中国生まれ、李演の日本での初個展となります。2008年に作品がロンドンのサーチギャラリーにコレクションされるなど、精力的に活動している作家です。日常目にするメディアから汲み取った映像や画像を素材に、25cm四方ほどの小さなペインティングの集合体をひとつの作品として発表している作家です。戦争や事件などメディアに取り上げられる暴力的なシーンから、日常の何気ない断片まで、彼特有の繊細な色彩で清々しいタッチで描かれています。李演の制作手法は、メディアから発信された情報の本来の順序を断ち、そこからエディターのように映像を新たに組み合わせて新しいイメージのグループを作りあげていきます。そうすることで、さらに有効的な方法で本来のトピックについての見方を提示しようとしています。メディアから発信され、捉え方が固定されがちな課題を、自分自身で理解する手段として再建築しています。李演にとってリアリティーとは常に流動的であるため、「真実」を追求することが目的ではありません。しかし、物事ついて個人にとってのリアリティーは存在します。彼の制作手法は、個人の真実へ辿り着くまでの一つの可能性を提示しています。その過程のなかで、思考が飛躍しそれまで認識できなかった自分自身にとっての真実を再認識できれば、この探求のプロセスにこそ意味があると考えています。李演は小さな作品をトピックに分けグループとして見せています。作品のサイズも重要な要素です。李演にとってスケールの小さいペインティングは、瞬間に生まれるアイディアを直接的に、よりすばやく作り上げたい全体像に近づけられます。破片のように散らばったイメージは、規則的かつ非対称的に配置され、一つの建築物を構築していく煉瓦のように繋がりを持ちながら一つのコンセプトを作りあげています。同時にそれぞれが存在感を放ちながら見る者に静かに語りかけます。

※全文提供: 山本現代

最終更新 2009年 2月 21日
 

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