鈴木浩之:“Microcosm”Kanazawa Satellite Art Project 2010 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 2月 12日 |
PALSAR Level 4.1: Processed by ERSDAC, Observed raw data: Belong to METI and JAXA, Changed from the original color by Hiroshi Suzuki Microcosm(小宇宙) Kanazawa Satellite Art Projectは、金沢美術工芸大学 美術科 油画専攻 鈴木浩之研究室が中心となり、航空写真よりも広い視野を持つ≪人工衛星≫(地球観測衛星)を「美術表現の為の撮影機材」として利用し、街全体をキャンバスに見立てた地上絵の制作を行うアート・プロジェクトです。プロジェクトは準備期間を経て2010年4月にスタートし、第1期の活動として『衛星写真の撮影時刻と地上での活動の同期』を試み、金沢の日常風景を宇宙と地上で同時に捉え街の素顔をありのままに表現した写真と映像の複合作品を、アートスペースキムラ(7月/東京)、フライエ美術館(8月/ベルリン)、金沢美術工芸大学アートギャラリー(11月/金沢)にて発表しました。 第2期は2010年9月より文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業の支援を受け、光学センサーを利用した観測システムとマイクロ波を利用した観測システムから得られる2種類の観測データを用い、それぞれの特性を活かした地上絵制作を行っています。マイクロ波による地上絵の制作は、2010年10月14日、11月29日の両日に、予測した観測エリア内に反射板を配置したところ、当日同エリアが人工衛星により観測され、後日その画像の取得に成功しました。また、光学センサーを用いた観測システムへは金沢市中心部に対する観測要求を行い、市内3校の小学校児童と共に、太陽光の反射を利用した人工衛星で撮影する地上絵の制作に向けた実験を行いました。 今回の展示では、Kanazawa Satellite Art Project 第2期に実施した10月と11月撮影の2枚の衛星写真をコンピュータ上で重ね、その差を抽出した画像に現れた点の集積を「星空」に見立てた平面作品「Microcosm」を発表します。地球の周りを飛ぶ人工衛星から、金沢が2回異なる日に観測されるのを待ち、それぞれの日の観測データの差を可視化した画像を作成します。すると、その画像には人間の生活や行動によって生じた地上の様々な構造や形態の変化の強弱がドットの明暗や大きさに変換されて現れます。この人間の活動の痕跡を地上に広がる星空に見立てた作品が本作であり、これを象徴するタイトルとして「Microcosm」(小宇宙)というタイトルをつけました。また、会場では、地上での活動の様子を実物の反射板の展示と共に写真で紹介します。加えて金沢市内小学校3校と10月に行った太陽光の反射を利用した実験の様子についてその概要を写真等と共に紹介します。この展覧会で、都市全体をキャンバスとして制作した地上絵を通して地球観測衛星を利用した表現活動の可能性の大きさをお伝えしたいと存じます。 画像(右上)説明 鈴木浩之(すずき・ひろし) ※全文提供: ASK? art space kimura 会期: 2011年2月14日(月)-2011年2月26日(土) |
最終更新 2011年 2月 14日 |