立石大河亞:音雷韻走査 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 11月 29日 |
今展では、94年作「音雷韻走査」、「地球大運河」、「情報守護神」を中心に、立石のポートレートが描き込まれた「富士のDNA」、故郷が描かれた「昭和二十一年筑豊之図」という大変貴重な作品を展示致します。 「音雷韻走査」、「地球大運河」、「情報守護神」は長らく企業のコレクション作品で一般公開されることのなかった作品でしたが、この度皆様にご紹介する機会を得ました。いずれも145.5×268.2cmの大作で、晩年の立石の円熟した画面構成と、「超古代と超未来が合体したような」世界が見事な逸品です。 「音雷韻走査」は、「登呂井富士」(1992)に描かれたような木馬を中心に、四方に抽象化された電子線が飛ぶ躍動的な作品です。中心の木馬はコントロールルームの中心に据えられたコンピュータの上に堂々と佇んでおり、コントロールルームの外側は地平線まで続くフラットな地平で、遠景には飛び跳ねる木馬たちが見られます。 画面の中には、立石がそれまでに描いた代表作が随所に描かれています。左上には「FUJI HIGH-WAY」(1992)、左下には「風神・雷神と幻燈の富士」(1991)、右下には「七転八虎」や、繰り返しモチーフとなった螺旋状の身体を持った虎などが見られます。 このような自作の引用は立石の晩年の作品に顕著で、油彩、イラストレーション、陶芸のみならずマンガや絵本まで手がけた立石の“自在さ”がよく表れています。 「大地球運河」と「情報守護神」は、広々とした大地の広がりが印象的な作品です。どちらの画面上にも、地平線の彼方に太陽がのぞいていますが、描かれている世界は全く別のもので、私たちの好奇心をかき立てます。 ※全文提供: 山本現代 会期: 2011年1月8日(土)-2011年2月5日(土) |
最終更新 2011年 1月 08日 |