ドミニク・ゴンザレス=フォステール×トリスタン・ベラ:BELLE COMME LE JOUR |
展覧会
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執筆: カロンズネット編集3
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公開日: 2013年 4月 16日 |
ルイス・ブニュエルの《昼顔》(1967)とマノエル・ド・オリヴェイラによる《夜顔》(2006)を遡る。 婚約者ピエールと結婚し、「昼顔」となる前のセヴリーヌの物語。リヴォリ通りに面するホテル・レジーナに滞在するセヴリーヌはルーヴル美術館を訪れた際、見ず知らずの男に声をかけられる。短い会話の中、高僧と牝犬の話を聞かされるのだがセヴリーヌは混乱し、それは無意識に刻み込まれた。BELLE COMME LE JOURは若い学生であるパリジェンヌのストーリー。2010年代に生きる熱烈な映画ファンでありカトリーヌ・ドヌーヴによく似た顔立ちでお気に入りの映画シーンを再演する彼女。衣装はバレンシアガの前デザイナー、ニコラ・ゲスキエールによるもの。ヌーヴェルヴァーグ的ストーリーでもある。マルチェロ・マストロヤンニに似たファッションフォトグファージアスコ・ベルトリにつきまとわれる世慣れていないジュリエット・ドゥ・フェーリュック演じレトロフィルムである。BELLE COMME LE JOURは実在的なフィルムであり映画上の究極的な情熱のシンボルであるドヌーヴとマストロヤンニやレジェンド化された銀幕世界、 実在の男女彼ら全てのラブフィルモグラフィーを小説的な方法で交差させる初めての試みである。
BELLE COMME LE JOURは ヴィクター・フレミングの《風と共に去りぬ》 アルフレッド ・ ヒッチコックの《めまい》と《マーニー》 クロード・オータン = ララの《可愛い悪魔》 ロマン・ポランスキーの《反撥》 ルイス・ブニュエルの《黄金時代》《昼顔》《哀しみのトリスターナ》《欲望のあいまいな対象》 ジャン・ポール=ラプノーの《城の生活》 フランソワ・トリュフォーの《暗くなるまでこの恋を》 アラン・レネの《去年マリエンバードで》 マルコ・フェレーリの《ひきしお》 ジャック・ドゥミの《ロバと王女》 トニー・スコットの《ハンガー》 ブライアン・デ・パルマの《殺しのドレス》 マノエル・ド・オリヴェイラの《夜顔》 といった映画をパリ、ルーヴル美術館のミロのヴィーナスの部屋を背景に結び合わせたフィルムミュージアムである。 《去年マリエンバードで》のように反復はシネマを新たな見解へと導く方法になっている。 アリ・ベンジャミン・マイヤーズ作曲の音楽はワグナーの《トリスタンとイゾルデ》とバーナード・ハーマンの《めまい》にインスパイヤされている。 BELLE COMME LE JOURはセヴリーヌのマゾヒズムを臨床的に物語る。 うぶな娘がトラウマを抱え、秘めたダブルライフを送ることを余儀なくさせられる。 それは快楽と服従を問う。 ヴェルヴェット・アンダーグラウンド“Venus in furs(毛皮のヴィーナス)”をアート・リンゼイがカバーした曲“faux fur”にのせて。 ( 翻訳 : 荒木朋子 )
全文提供:ギャラリー小柳
会期:2013年4月6日(土)~2013年6月8日(土) 時間:11:00~19:00 休日:日・月・祝 会場:ギャラリー小柳
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最終更新 2013年 4月 06日 |