岩月ユキノ:98+2 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 11月 07日 |
《パン屋タビタの店内》2011 | 72.7x91cm, oil on canvas | Copyright© Yukino Iwatsuki | Courtesy of the artist and MEGUMI OGITA GALLERY 第4回SHOWCASESHOWの入選者の岩月ユキノは、1975年に愛知県に生まれ、1998年に金沢美術工芸大学視覚デザイン科を卒業しました。 『見知らぬ町の路地や歩き慣れた近所の道、行きつけの喫茶店だとか親戚の家など、場所はさまざまだけれど、見た瞬間に心を奪われ目が釘付けになってしまう風景に時々出くわす。光の当たり方、影の形、草木や空、建物の色……それらが見事なバランスで組み合わさって、えも言われぬ魅力的な風景が創り出される奇跡のような一瞬があるのだ。それは他人にとってはおそらくとるに足らないどこにでもある風景なのだろうけど、それにどうしようもなく魅了されてしまうのである。そして、「これを一刻も早く絵にしたい!」という切実な思いが沸き上がり、いてもたってもいられなくなる。』 モニターを通してイメージを交換する現代では、電子によって作られた図象も現実も同等に伝えられ、その背景にある目に見えない振動について語られる事がありません。私達の視覚が捉える事象はある一定の光の周波数によって作られたイメージですが、その周りには様々な自然界の要素によって、目には見えないけれど皮膚や呼吸を通して感覚的に私達へ訴えるもう一つの真実の世界があります。 岩月はそういった透明な日常で訪れる捉えようのない感覚を、ある特定のシーンへと具体化します。 ありふれた景色の中にある光や影、空気、そしてその時々の感情によって作られる唯一の瞬間を焼き付けるように、岩月はキャンバスに向かいます。そして描く事は目に見える世界を超えて、内なる自己や世界の存在について思いを巡らせることであると訴えます。 今展では、「金沢市新堅町」や「香川郡直島町」などの庭や岩月が今までに訪れ、心を動かされた空間と時間を絵画作品として発表いたします。私達はその一瞬の風景のなかに、二度と捉える事の出来ない作者の心の高揚と振動を、永遠に感じることが出来ます。岩月ユキノ展をどうぞご期待下さい。 ※全文提供: メグミオギタギャラリー 会期: 2011年12月13日(火)~2011年12月24日(土) |
最終更新 2011年 12月 13日 |