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東京アートミーティング(第2回)[SANAA・MOT 共同企画]建築、アートがつくりだす新しい環境 ―これからの“感じ”
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 9月 29日

AMID. cero9 《ESAパヴィリオン》|2010 | 画像提供:東京都現代美術館 | Copyright © AMID. cero9

21世紀にはいり、情報化や都市化の進行によって、新たな生活形式やパブリックスペースが生まれてきています。本展は、環境や都市の問題、人口の増加やその構成の変化など、私たちをとりまく状況の変化に対して、建築家、アーティストがどのようにこたえ、空間をつくっていくのか、その提案、実践を示すものです。その空間は、人々に新しい体験やアプローチを促し、環境との潜在的な可能性を顕在化させてくれます。アーティストの提案は新しい世界観のメタファーとして建築家の実践的提案と響き合い、きたるべき「人間性」についてのイメージを複数の角度から指し示します。

3.11の震災を含め、自然災害や政治的・社会的不安は、なんらかの形で常に世界各地の現実のなかに存在します。こうした状況に対して、建築は人々にとってどのような存在でありうるのでしょうか。本展においては、日本を含め世界各地における人々や自然、社会の内外において多様な経験・思考から導かれる建築の普遍的な表現と、ローカルの知恵や技術との融合に見いだされる「発見」が展覧されます。

14カ国28組(予定)の建築家、アーティストはそれぞれの空間における実践、試みを、模型、ドローイング、映像、彫刻、写真、ミクストメディアのインスタレーションなどで見せます。眼だけでなく、身体や感覚にうったえる展示空間はその全体が「建築、アートがつくりだす新しい環境」そのものとして、一つのステイトメントとなります。

なお、本展覧会は東京都の東京文化発信プロジェクトにおける東京アートミーティングの一環として開催されます。

本展の見どころ
建築とアートが提案するPOST2011の環境
ことばでは説明できない、「これからの“感じ”」-未知なる展覧会体験。

1 ―S A N A AとM O T がみせる「建築、アートがつくりだす新しい環境」
これからの建築概念をリードする建築家の一人であるSANAAと、「アートとライフの関係」をディレクションのひとつとしてきた東京都現代美術館との共同企画。建築とアートがつくりだす新しい環境について考えます。展示空間レイアウトもSANAAと共同でデザインし、東京都現代美術館の大きな展示室に、建築とアートのこれからを感じさせる個性豊かな作品が風景のように広がります。

2―従来の建築展とは違った展示の魅力満載
セルガスカーノ、AMID.cero9らの、カラフルでアートのオブジェ彫刻としても魅力にあふれるスタディ・モデル。繊細でほとんど非物質的な素材で制作することで建築に別のスケールを与える石上純也、建築家アランダ\ラシュやArup AGUなどとの恊働制作により、有機的で流動的な空間をつくりだすマシュー・リッチーのインスタレーション、カーペットを環境デザインや建築の一部に転換するペトラ・ブレーゼ、クラフトマンの美学が薫るスタジオ・ムンバイなど、コンセプトや素材の斬新な試みが展示されます。21世紀において建築と映像の関係はますます重要になっていきます。建築と人々の体験や関係にふれるフィオナ・タンや、ヴィム・ヴェンダースの映像作品、本展のために撮り下ろした原広司のインタビューなど、多様な試みが展示されます。

3―マスターたちの新作紹介:日本初公開
現代建築界を代表する建築家フランク・O・ゲーリー。彼の最新作であるニューヨークの《ビークマン・タワー》を、スタディ・モデルを含む約30点の模型と図面で紹介します。日本ではほとんど見ることのできない貴重な建築模型を通して、ゲーリーの独自の建築造形の原点に迫ります。

カンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞したヴィム・ヴェンダースが、SANAAの最新作《ロレックス・ラーニング・センター》を舞台として撮影した3D短編映画《もし建築が話せたら…》を、日本初公開。建築と人々との対話を描くこの作品は、「建物」が図書館の学生や深夜の作業中の掃除夫に話しかける詩情にあふれた場面や、ユニークな建築空間をさまざまな乗り物で疾走する人々の動きを通して、映像による建築空間の新しい表現に挑戦しています。

4―若手の新作、最近作をフィーチャー
これからの建築を担う存在として世界からも注目を集める石上純也、藤本壮介、平田晃久、近藤哲雄などの建築家や、荒神明香といったアーティストなど、東京から世界にむけて若手作家の活動を発信します。

5―大学、コミュニティとの恊働
東京藝術大学とのコラボレーションでおこなう「建築、アートがつくりだす新しい環境WEEKS」。震災を経て、個々人の意識が、これまで以上に集団としての全体性へと向けられている今、様々なジャンルの建築家、アーティストによるシンポジウムと展覧会を通して、「個」と「全体」の多様な関係性のあり方を探ります。また近隣のコミュニティを巻き込んだジェラティンによるプロジェクトが予定されています。

出品作家※アルファベット順
AMID.cero 9 エル・アナツイ バーレーン王国文化省 ペトラ・ブレーゼダグ+マイク・スターン 藤本壮介 アントン・ガルシア=アブリル フランク・O・ゲーリー ジェラティン 原広司+ローランド・ハーゲンバーグ 平田晃久 石上純也 伊東豊雄 クリスチャン・ケレツ 荒神明香 近藤哲雄 ルイザ・ランブリ オフィス・ケルステン・ゲールス・ダヴィッド・ファン・セーヴェレン ピエト・オウドルフ スミルハン・ラディック マシュー・リッチー+アランダ\ラッシュ+ダニエル・ボシア 妹島和世+西沢立衛/SANAA マティアス・シューラー+トランスゾーラー セルガスカーノ スタジオ・ムンバイ フィオナ・タン ヴィム・ヴェンダース ほか

全文提供: 東京都現代美術館


会期: 2011年10月29日(土)〜2012年1月15日(日)
休館日: 月曜日(ただし1/2、1/9は開館)、年末年始(12/29~1/1)、1/4、1/10
開館時間: 10:00~18:00 ※10月29日(土)は21:00まで開館(入場は閉館の30分前まで)
会場: 東京都現代美術館 企画展示室3F、1F

最終更新 2011年 10月 29日
 

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