上野王香:offering |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 3月 25日 |
作家コメント 上野王香(Ooka Ueno, うえのおうか) 個展 グループ展 入選 上野王香はこれまで一貫してコラージュの手法で作品を制作しています。用いる素材は、紙と糊のみで、主に雑誌などの印刷写真を切り抜いています。上野が「パーツ」と呼ぶ、それら切り抜かれた素材はあくまで部分の域を出ず、自立することはありません。上野の手で接合され「部位」となるまで、何年もパーツ BOXの中で待っているものが多々あると言います。パーツの収集に始まる制作への探求心と、ハサミを用いての“技”で息を吹き込まれた部位たちは、上野の感性によっていっきに物語をつむぎだします。2007年には、チェコ出身の作家フランツ・カフカ、及びその著作からインスピレーションを得た作品によるコンペティション・KAFKA International(ロンドン)にて、作品『THE METAMORPHOSIS』が入賞しました。 上野作品の特徴は、卓越した手業はもちろんのこと、有るか無きかの世界、物語の視覚化にあります。そのイメージは、シュルレアリスムの系譜のひとつと組みされてもおかしくはありません。しかし、上野のコラージュ作品がシュールな要素を含みながらも、知的で品格すら漂う作品として立ち上がるのは、真摯に慈しみをもって "いのち" を見つめていることにたどり着くからかもしれません。日常生活と繋がったまなざし、そこから生み出されるお話と創造に、私たちは見つめる悦びと想像する楽しさに誘われていきます。 新作個展となる本展は『offering』と題され、ロンドンで制作した新作約20点を展覧。ギャラリーの春の企画展となります。独自のビジュアル世界、物語に、触れていただきたいと思います。作品との出会いを楽しみに、ぜひお出かけください。 補記:「展覧会がはじまって」 ひとりでも多くの方に届きますように。 ※全文提供: Port Gallery T 会期: 2011年3月22日(火)-2011年4月16日(土) |
最終更新 2011年 3月 22日 |