展覧会
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2010年 10月 13日 |
Artist's statement 「北10号」 これらは2006年の春から約2年間暮らしていたアパートの自室での写真です。 この部屋を去る時、部屋の中から少しずつ運び出されて行く「もの」たちは、どこか私の身体の延長のようなものであり、部屋からすっかり自分の荷物がなくなってしまうと、ふと、きもちがこの部屋から離れて行くのと同時に、もうこの部屋に帰ってくる理由はなくなってしまったのだとも思いました。
人をその場所に繋ぎ止めている何かがあるのだとしたら、私にとってその1つは「もの」であり、自分の意志では動くことができず、たとえ持ち主や場所を変えても、ただそれを静かに受け入れて、そこにある。 そんな「もの」たちの存在が気になってしかたがないのです。 (藪本絹美)
藪本絹美が写真として印画紙に定着させている、させようとしているもの(こと)は一体、なんだろうと考え出している自分に気づいて面白くなる。とい うのも、そこにあるのは別段特異なものではなく、平明な言葉で説明できるものが写されたモノクローム写真で、しかし奇妙な磁力を持ってここにある。初めて これらのイメージを目にした時に引きつけられた訳を考えると、沈黙がもつ豊かさに気づきだした。小さな部屋の中でしか聞こえない声があり、一人になること でしか紡げない物語というものがある。本展が3年ぶりの個展となります。藪本が差し出す「もの」の存在、光の形、線。実際にプリントを見ていただきたいと思います。秋が深まり始める季節、ご来廊をお待ちしております。
藪本 絹美 YABUMOTO KINUMI 個展 2006年「肌理」Prinz(京都) 2007年 P.G.I. 10Days Exhibition- vol.17「肌理」 P.G.I.(東京) グループ展 2002年「How are you, PHOTOGRAPHY?展」Gallery Terra(京都) 2006年「大阪芸術大学写真学科卒業制作選抜展」 富士フォトサロン(大阪) 2006年「2005年度ヤングポートフォリオ展」清里フォトアートミュージアム(山梨) 2006年「東川町国際写真フェスティバル写真インディペンデンス展」東川町文化ギャラリー(北海道) 2007年「ALTERNATIVE PROCESS OF PHOTOGRAPHY」GALLERY ARTISLONG(京都) 2007年「flamingo」GALLERY MARONIE 5F(京都) 2008年「2007年度京都造形芸術大学大学院修了制作展」Galerie Aube (京都) 2009年「写真を超えてその先にある表現…」Gallery i(京都) 2009年「CABINET LIBLERY 2009」Port Gallery T(大阪) など コレクション 清里フォトアートミュージアム(山梨)
藪本絹美展関連イベント:トークカフェVol.10『写真、制作のこと』 日時:10月16日(土)18:30~19:30 場所:Port Gallery T 参加費:500円(お飲物等ご用意します)※席数に限りがありますので事前にご予約ください
※全文提供: Port Gallery T
会期: 2010年10月15日(金)-2010年10月30日(土)
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最終更新 2010年 10月 15日 |