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林勇気:光の庭ともうひとつの家
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Published: June 30 2014
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《つたわるかたち、つたわらないかたち》 |ハイビジョンビデオ、プロジェクター|2014年 みずのき美術館(京都)での展示風景 撮影:田邊真理

神戸アートビレッジセンターでは、6月21日(土)から7月13日(日)まで映像作家、林勇気による個展「光の庭ともうひとつの家」を開催します。林は自身で撮影したり、インターネットを検索して集めた膨大な量の写真データを、切り抜き重ね合わせることでアニメーションを制作しています。画面の向こう側にある「もうひとつの世界」を描き出すその制作過程や作品からは、インターネットやテレビゲームを介して行われる現代的なコミュニケーションのあり方を想起させます。
本展では、新作《光の庭ともうひとつの家》の制作にあたり、一般から募集したアンケートを元に、建築家のNO ARCHITECTSが回答者(=施主)の理想の家を設計。林が写真データを素材に「光の庭」に小さな「もうひとつの家」を建築します。また、施主には500円で「もうひとつの家」をご購入いただき、「光の庭」の住人となっていただきます。
本作品では、実際の金銭を払ってデジタルな仮想空間に居場所を手に入れるという、林自身が過去にゲームの中で家を購入した経験から感じた現実と仮想の世界が重なりあう感覚を可視化します。
「光の庭」に建築された施主達の理想の詰まった約20軒の家々から、ぜひお気に入りの一軒を探して頂ければ幸いです。

[作家コメント]
ぼくはゲームの中で家を購入しました。

現実の世界では家を持ちたいと思ったことはありませんでしたが、そんなぼくが画面の向こう側に居場所を持っているというのは不思議な感覚でした。

インターネットやゲームの中の新たな場所や世界やキャラクターのコスチュームやアイテムなどが現実の金銭で売買されています。
画面の向こう側にある場や物品はどのような存在なのでしょうか。
そのような問いかけと共に、現代の社会がもたらす映像の中に存在する場や物品を所有する感覚を可視化する試みをいたします。

「光の庭」は、撮影された写真のデータの集積とプロジェクターやモニターの光によってつくられる場所です。
そこに現実の金銭で、映像の中にある小さな家を購入してもらいます。
購入者のアンケートからNO ARCHITECTSが家を設計します。そしてインターネットにアップされている写真のデータを素材に家を建てます。
そのようにしてできた「光の庭」の中にある「もうひとつの家」は、現実ともうひとつの世界をつなぎあわせます。
そのつなぎ目を通して、様々な事を考えられることに期待しています。

[作家プロフィール]
林勇気(はやし・ゆうき)
1976年京都府生まれ。兵庫県在住。膨大な量の写真を切り抜き重ね合わせることでアニメーションを制作している。主な個展に「あること being/something」(2011年 兵庫県立美術館)など。今秋、芦屋市立美術博物館で開催される特別展「art trip vol.1『窓の外、恋の旅。/風景と表現』」(9/27(土)-11/30(日))に出品予定。映像芸術祭 MOVING実行委員、宝塚大学造形芸術学部准教授。

林勇気

全文提供:神戸アートビレッジセンター


会期:2014年6月21日(土)~2014年7月13日(土)
時間:12:00ー19:00
休日:火
会場:神戸アートビレッジセンター

Last Updated on June 21 2014
 

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